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少し高い血圧でも脳・心血管疾患のリスクは2倍に

Digital PR Platform / 2024年4月11日 10時0分






今後の展開
 本研究の結果から、たとえ健康診断で血圧があまり高い値ではなかったとしても、勤労者本人は意識的に血圧管理に取り組んでいくことが期待されます。特に、企業や保健医療専門職は、そうした勤労者の取り組みを後押ししていくことが求められます。研究面では、正常高値血圧・高値血圧から正常血圧まで血圧を戻すことで、脳・心血管疾患リスクが低下するかどうかを就労世代で検証していくことが望まれます。


研究費
 本研究は労働衛生会館、労災疾病臨床研究事業費補助金(140202-01、150903-01、170301-01)、JSPS科研費 JP25293146、JP16H05251、JP20H03952、国際医療研究開発費(28-Shi-1206、30-Shi-2003、19A1006、22A1008)の支援を受けて実施されました。


論文情報
タイトル: Blood pressure classification using the Japanese Society of Hypertension Guidelines for the Management of Hypertension and cardiovascular events among young to middle-aged working adults
著者: Keisuke Kuwahara, Takayoshi Ohkubo, Yosuke Inoue, Toru Honda, Shuichiro Yamamoto, Tohru Nakagawa, Hiroko Okazaki, Makoto Yamamoto, Toshiaki Miyamoto, Naoki Gommori, Takeshi Kochi, Takayuki Ogasawara, Kenya Yamamoto, Maki Konishi, Isamu Kabe, Seitaro Dohi, Tetsuya Mizoue
掲載雑誌: Hypertension Research
DOI:https://doi.org/10.1038/s41440-024-01653-3


[画像2]https://digitalpr.jp/simg/1706/86495/350_77_2024041013231766161435bd3c4.jpg





用語説明
*1 J-ECOHスタディ(職域多施設研究):関東・東海地方に本社がある企業の社員・従業員約 10万人を対象とした大規模職域コホート研究。社員・従業員が毎年受診する定期健康診断のデータに加えて、在職中の死亡、心血管疾患(脳卒中・心筋梗塞)の発症、長期病気休業(連続30日以上の病休)の取得といった情報を、各社の産業医を通じて収集し、日本の勤労者の健康に関するエビデンスづくりを行っている。
*2 高血圧治療ガイドライン2019における血圧分類:従来は2番目に低い血圧区分を収縮期血圧 120-129 mmHgかつ/または拡張期血圧80-84 mmHgと定義していたが、新しい区分では閾値を下げて収縮期血圧 120-129 mmHgかつ拡張期血圧 80 mmHg未満と定義された。3番目に低い血圧区分も拡張期血圧の定義が85-89 mmHgから80-89 mmHgに変更されている。
*3 ハザード比:関連の強さを表す統計学的な指標。基準とした群と比べて、ある群のハザード比が1を超えているということは、ある群のリスクは基準とした群と比べて高いことを意味する。今回の研究では、正常血圧群を基準として、正常高値高血圧群のハザード比は1.98と1を超えている。この結果は、正常血圧群と比べて、正常高値血圧群の脳・心血管疾患の発症リスクは約2倍(1.98倍)であったことを意味する。
*4 集団寄与危険割合:集団における疾患に対するリスクファクターの影響力の大きさを推計する指標。血圧が少し高いことで上昇するリスクの程度は、高血圧によるリスクの上昇と比べると低いものの、血圧が少し高い人は人数としてみると数が多く(一方、高血圧を持っている人、特に重度の高血圧を持っている人は少ない)、その分だけ集団への影響が大きくなる。このコンセプトを定量化したものを集団寄与危険割合という。

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