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宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙環境利用専門委員会の公募事業に採択

Digital PR Platform / 2024年5月14日 14時5分

・IDDKの宇宙バイオ実験プラットフォーム
④ ウロコの骨芽細胞および破骨細胞の顕微観察                                                
顕微観察については製品化にも成功しているMID技術をベースとしています。すでに宇宙ミッションに向けた蛍光観察方式の開発には着手しており,軌道上でも宇宙実験の成果を挙げることが可能です。また,本研究の必要要件を満たすための開発は,すでに開発を進めている宇宙用バイオ実験装置を基礎として構築するため,ウロコに適した条件を検討することで実現可能です。

⑤ サンプルリターン
図3 のように,IDDKは,宇宙バイオ実験プラットフォームで,サンプルリターンの技術開発を進めている複数の人工衛星パートナーと提携しています。本研究の成果を宇宙実証する時期には,すでにリターン技術を実証済みのパートナーを選定することで,極めて実現性は高くなると考えられます。軌道上でホルマリンなどでの固定により保管でき,ISSで宇宙飛行士が行うような操作を自動で実施することで,宇宙環境下で引き起こされる疾病のメラトニンによる予防・治療効果を解析できます。

 
 
【今後の展望】

キンギョのウロコは,低温で擬似微小重力応答を解析します。特に,骨基質のⅠ型コラーゲンおよびハイドロキシアパタイトの解析を中心に行う予定です。ゼブラフィッシュは,小林准教授が作成済の骨芽細胞と破骨細胞を蛍光タンパク質でラベルしたゼブラフィッシュ(Kobayashi et al., Com. Biol., 2020)と,平山教授が作製した光応答障害を呈する遺伝子改変ゼブラフィッシュ(Hirayama et al., Sci. Rep., 2019)とのかけあわせで,概日リズムの光応答が障害された条件下で骨細胞の動態を解析する系を構築します。さらに,キンギョのウロコの滅菌方法に準じて,ゼブラフィッシュのウロコの滅菌を行い,滅菌後の擬似微小重力応答を確認します。機器の開発に関しては,恒温保管容器の開発およびウロコをホルマリン溶液などで自動処理できる機器の構築を目指します。


(添付:図1.宇宙で引き起こされる疾患の例)
メラトニンは,A, CおよびDの疾患を予防・治療できる可能性を秘めている。

(添付:図2:ウロコで発現しているaanat mRNAの解析)
Ground:地上実験,F-1g:宇宙空間で遠心機を回して1gの条件(地上と同じ1g)を作り出すことができる装置に入れて培養したウロコ(宇宙対照群),F-μg:宇宙空間で培養したウロコ(微小重力群),**: P < 0.01,n = 4(Ikegame et al., J. Pineal Res., 2019より)

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