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メガリンの立体構造とリガンド結合様式を解明

Digital PR Platform / 2024年5月24日 11時0分


[画像1]https://digitalpr.jp/simg/1706/88608/500_368_20240522150910664d8c0647c66.jpg
図1 腎臓におけるメガリンを介する物質取り込み
メガリンを介する腎毒性物質の腎臓への取り込み経路とメガリン拮抗剤による阻害。







Ⅱ. 研究の概要
 まず新潟大学大学院医歯学総合研究科において、ラットの腎臓から抗メガリンモノクローナル抗体などを用いてメガリンを精製しました。続いて、東京大学大学院医学系研究科の吉川雅英教授(生命科学・創薬研究支援基盤事業、BINDS)の支援の下、横浜市立大学大学院生命医科学研究科の西澤知宏教授らは、クライオ電子顕微鏡法を用いて、メガリンの立体構造を解析し、さらに内因性にメガリンに結合しているリガンド物質との結合様式を解明しました。また、クライオ電子顕微鏡法の他、東京大学大学院工学系研究科の津本浩平教授ら(BINDS)の協力の下、分子間相互作用解析法を用いて、メガリンのリガンドの一つでシャペロン(注5)としてもはたらくrecceptor-associated protein(RAP)との結合様式の詳細を明らかにしました。







Ⅲ. 研究の成果
 メガリンは、N末端側の巨大な細胞外領域、単一の膜貫通領域、およびC末端側の短い細胞内領域から成っています。細胞外領域は、約40個のアミノ酸から成るcomplement-type repeat (CR)が4ヶ所にわたって集簇(しゅうぞく)し、いわゆるligand-binding domain(LBD)I–IVを形成しています。さらに、LBDの間にepidermal growth factor(EGF)-type repeatやβ-propellarと呼ばれる構造体が連なっています。今回、本研究グループによって、メガリンの立体構造が解明されたことで、それらの繋がりの意味が明らかになりました。


[画像2]https://digitalpr.jp/simg/1706/88608/500_434_20240522150915664d8c0bbf299.jpg
図2 メガリンの全体構造

クライオ電子顕微鏡によって明らかになったメガリンの全体
構造。複数箇所のフォーカスマップを合成した全体の密度マ
ップ(上)、および全体のリボンモデル図(下)を示した。



 クライオ電子顕微鏡による解析から、メガリンは二つの分子が背中合わせに結合した二量体構造を形成することが明らかになりました。その全体像はあたかも鳥のような形を呈し、head、wing、body、legの領域に分かれています(図2左)。

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