放射性抗体の超音波内視鏡ガイド投与による膵がんPET画像診断の医師主導治験(第Ⅰ相臨床試験)を開始
Digital PR Platform / 2024年6月11日 15時30分
微小膵がんの早期診断・精密治療方針決定の革新的画像診断法の開発を目指す
発表のポイント
生存延長効果が期待される1cm未満の微小膵がんの発見と精密な治療方針の決定を実現するため、新しいPET用放射性薬剤を用いたPET画像診断法の医師主導治験を行います。
本試験で用いる新しいPET用放射性薬剤(64Cu-NCAB001)は、通常のPET画像診断では画像化できない3mm~1cmの微小膵がんを明瞭に画像化できることが非臨床試験において明らかになっています。
本試験において、世界で初めて本薬剤(64Cu-NCAB001)をヒトの腹腔内に投与してのPET画像診断を行い、本診断法の安全性と推奨投与量を評価します。
本試験の結果を踏まえ、膵がんの革新的な早期診断法と精密治療方針決定法の開発を進めてまいります。
概要
国立がん研究センター(理事長:中釜斉)と神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター(総長:古瀬純司)、リンクメッド株式会社(代表取締役社長:吉井幸恵)、横浜市立大学(学長:石川義弘)、順天堂大学(学長:代田浩之)、東京医科歯科大学(学長:田中雄二郎)は、通常のPET検査では画像化できない3mm~1cmの微小膵がんを明瞭に画像化できることが非臨床試験において明らかになっている新たなPET画像診断方法について、ヒトで安全性と推奨投与量を評価する医師主導治験(第I相臨床試験注1)を開始しました[PRIME-64試験 プロジェクト代表医師:上野誠(神奈川県立がんセンター)、治験調整医師:肱岡範(国立がん研究センター中央病院)]。
通常のPET検査(FDG-PET)では、放射性フッ素を付加したブドウ糖を静脈から注射するのに対し、本試験では膵がん細胞の表面に高発現する上皮成長因子受容体(EGFR)注2に特異的に結合する特性を有する放射性抗体(64Cu-NCAB001)を超音波内視鏡で腹腔内に投与(超音波内視鏡ガイド投与)しPET画像診断を行います。本薬剤(64Cu-NCAB001)のヒトへの投与は世界で初めてで、ファースト・イン・ヒューマン試験となります。
参加対象は、臨床的に遠隔転移がないと診断される膵がん患者さんで、国立がん研究センター中央病院(病院長:瀬戸泰之、東京都中央区)並びに神奈川県立がんセンター(総長:古瀬純司、神奈川県横浜市)で実施します。
本試験を実施する研究チームは、膵がん領域の超音波内視鏡を専門とする臨床医や核医学を専門とする臨床医、放射性薬剤製造の専門家で構成され、本試験の結果を踏まえ、膵がんの早期診断と精密な治療方針の決定を実現する新しい検査・診断法の開発を進めてまいります。
なお、本医師主導治験は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の臨床研究・治験推進研究事業の支援を受け実施しています。
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