2024年4月、慈恵医大が産学連携講座「がんサバイバーシップ・デジタル医療学講座」を新設
Digital PR Platform / 2024年6月5日 11時56分
<2024年ASCO年次総会での発表演題について>
演題名:
A mobile app-based program for facilitating advance care planning discussions between patients with advanced cancer and oncologists: A randomized controlled trial (J-SUPPORT 2104)
演者:
Kyoko Obama, Maiko Fujimori1, Masako Okamura, Tatsunori Shimoi, Shunsuke Oyamada, Kan Yonemori, Taro Ueno, Shunsuke Kondo, Yuki Kojima, Tempei Miyaji, Takayo Sakiyama, Naomi Sakurai, Tatsuo Akechi, Narikazu Boku, Masanori Mori, Taichi Shimazu, Yoshikuni Nagashio, Tatsuya Yoshida, Takuhiro Yamaguchi, Yosuke Uchitomi
発表日時:
6月2日(日)8:00-11:00 am 米国中部標準時
発表形式:
口頭発表(Symptom Science and Palliative Care)
【本研究内容発表についてのお問い合わせ先】
東京慈恵会医科大学 がんサバイバーシップ・デジタル医療学講座
産学連携教授 内富 庸介
電話 03-3433-1111(代)(内線2895)
email: csdm2024jki@jikei.ac.jp
サスメド株式会社
管理部
TEL: 03-6366-7780
email: support@susmed.co.jp
【本リリースに関するお問い合わせ先】
学校法人 慈恵大学 経営企画部 広報課
TEL: 03-5400-1280
email: koho@jikei.ac.jp
【がんサバイバーシップ・デジタル医療学講座の紹介ページ】
本学の以下のサイトで、がんサバイバーシップ・デジタル医療学講座を紹介しております。
医学科教育研究活動 産学連携講座 がんサバイバーシップ・デジタル医療学講座
URL:https://www.jikei.ac.jp/academic/course/cansurvivor.html
参考資料:2024年ASCO年次総会での発表演題(概要)
1.背景
日本のがんによる死亡者数は年間38万人にのぼります。2) 進行・再発期のがんは、根治が難しいことが多いため、治療目標は生存期間の延長や療養生活の質の維持・向上に注力されます。患者さんと主治医は、診察において進行がんの病状や治療の理解を互いに共有し、患者さんの自由意思に基づいて治療の選択ができるよう話し合うことが求められます。近い将来に訪れる抗がん剤治療中止後の療養に関して、事前に充分話し合うことによって、希望する医療を受け、価値観に即した人生の最期の時を過ごすことが可能となりますが、人生の最終段階に向けた十分なコミュニケーション支援の方法や体制が整っていないことから、話し合いが行われない、あるいは体調や心理面が切迫した状況になって初めて行われることが、世界的な課題として繰り返し指摘されています。3)
人生の最終段階をどのように迎えるか、自らの価値観、今後の目標や意向を明確にし、事前に家族や医療者と話し合うプロセスは「アドバンス・ケア・プランニング(以下、ACP)」と呼ばれ、我が国の骨太の方針に取り上げられるなど国策として進められています。4) ACPとして、身体・心理・社会・生活・価値観など多岐にわたる気がかりや意向を話し合い、記載し、定期的に振り返ることが推奨されています。米国の先行研究は予後1年以内の進行がん患者さんを対象としたランダム化比較試験を実施し、ACPにより心理的ストレスが軽減することを報告しています。5) 一方で、がん治療が入院から外来通院中心になることで患者さんと医療者がコミュニケーションを取る時間や機会が不足すること、抗がん剤治療中止の時期は患者さんの心理的ストレスが高くなること、医療者のACPに対処するコミュニケーション技術が不足することなどが、ACP実施を阻害する要因として指摘されています。6)
そこで、患者さんと医師の間のコミュニケーションを支援することを目的として、患者さんが治療選択や今後の方針に関して自らの考えや医師に聞きたいことを事前に整理し、医師との面談の際に質問し、話し合いの内容についての理解を深めるための質問促進リスト「Question asking Prompt List(以下、QPL)」の研究開発を行いました。1) 厚生労働科学研究がん政策研究事業にて「進行がん患者に対する効果的かつ効率的な意思決定支援に向けた研究(20EA1010)」として国立がん研究センターがん対策研究所がんサバイバーシップ研究部と協力して開発しました。QPLはがん医療における患者さんと医療者のコミュニケーションに関する診療ガイドラインにおいて、簡便に利用可能で、有用性が高く、患者さんにとって侵襲のない支援方法としてエビデンスが示され、強く推奨されています。7)
本研究では、治療やケアについて話し合うためにスマートフォンやタブレット端末などのモバイル電子端末を用いてQPLを含む質問・価値観・治療目標の整理、および医師へのフィードバックで構成される協働意思決定支援プログラムを開発し、標準治療終了後の治療やケアに関する話し合いが促進されるかを検証しました。
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