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2024年4月、慈恵医大が産学連携講座「がんサバイバーシップ・デジタル医療学講座」を新設

Digital PR Platform / 2024年6月5日 11時56分

2.手法
本研究は、アプリによる協働意思決定支援プログラムを使用するグループ(アプリ実施群)と、通常の病院での診療のみを使用するグループ(通常ケア群)を比較して検討しました。研究デザインは、ランダム化比較試験です。
研究対象者は、2021年9月から2022年12月の間に国立がん研究センター中央病院の外来(腫瘍内科、肝胆膵内科、呼吸器内科)を受診中の、根治不能な進行がんと診断された20歳以上の患者さんで、主治医の判断により研究参加適格基準を満たした方としました。研究参加から半年間に計5回のアプリを用いたアンケート調査と、半年後、カルテから得られる情報によって追跡調査を行いました。
アプリによる協働意思決定支援プログラムは、1)QPLを用いた質問整理、2)価値観と治療目標の整理の、2つのステップで構成されました。1)QPLは、ACPに関する質問項目を含みました。例えば、予後や残された時間、治療継続が困難になった場合のこと、その後の生活のこと、緩和ケアのことなどです。2)価値観の整理は、患者の目標に沿ったケア(Goal Concordant Care)に関する質問として、8)治療継続困難になったときに大切にしたいことについて、快適に過ごすこと、満足したと思えること、希望を持ち続けること、自立していることなどの選択肢を含みました。治療目標の整理は、望ましい死 Good Death 9) に関する研究に基づく将来の治療の目標について、どんなに負担があっても1日でも長生きしたい、負担の少ない治療であれば受けたいなどの選択肢を含みました。さらに最後の時間を過ごす場所の希望について、自宅、近くの病院などの選択肢を含みました。
主要評価指標は、研究参加後最初の診察での患者さんと主治医の話し合いです。話し合いは録音され、第三者により評価されました。評価は、マニュアル(SHAREプロトコル)10) に基づいて訓練された2名が、アプリ実施群・通常ケア群のどちらかわからないように盲検化された話し合いの録音を聞き、得点をつけるという方法で行われました。主治医の共感的なコミュニケーションを表す9項目に対してそれぞれ0点から4点、合計0点から36点で評価し、得点が高い方がより共感的なコミュニケーションが多いことを示します。
そのほか、診察後、1・3・6か月後の不安・抑うつ(Hospital Anxiety and Depression Scale)、1・3・6か月後の生活の質(EORTC QLQ-C30)、診察後のコミュニケーションに対する満足度(Patient Satisfaction Questionnaire)、介入の実施可能性、6か月間の医療の利用状況、診察中の患者と主治医の発話数、ACPに関する発話数を評価しました。

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