1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. プレスリリース

世界初、錯覚利用で複数モニタの枠を超えて飛び出す巨大3D空中像の提示システムを実現~透明視錯覚を活用した映像の欠損補完により3D映像を汎用的なデバイスで提示可能~

Digital PR Platform / 2024年6月17日 10時0分

3.技術のポイント
①バラバラに配置したモニタのキャリブレーション
 各液晶モニタに、2次元コードによる一意なIDを埋め込んだチェッカーパタンを提示し、カメラでモニタ群全体を撮影することで、1ショットでモニタ間の位置関係を把握し、即座な配置の校正が可能です。1台のカメラでも校正可能ですが、ステレオカメラを使用することで、深度の推定精度をより向上させることができます。






[画像3]https://digitalpr.jp/simg/2341/89984/700_358_20240617162023666fe3b796af3.png





図2 (左)各モニタに2次元コードによる一意なIDを埋め込んだチェッカーパタンを提示し、ステレオカメラでモニタ群全体を撮影する様子。(右)カメラによる撮影結果と各モニタの姿勢推定結果。

②透明視錯覚による映像の欠損補完
 本技術では、視覚心理学分野で研究されてきた脳内の視覚情報補完メカニズムや透明視知覚に関する知見を応用することで、新たな感覚を提示するディスプレイ技術に昇華させました。人間の脳には、不完全な情報から全体像を推測し、欠けている部分を補完する優れた能力が備わっており、物理的には存在しない輪郭が脳内で補完されて知覚される現象をモーダル補完と呼びます。(図3)。本技術では、このモーダル補完を利用して、モニタ間の隙間に生じる像の欠損を鑑賞者の脳内で補完して知覚させています。


[画像4]https://digitalpr.jp/simg/2341/89984/700_215_20240614180029666c06ad4c46f.png
図3 カニッツァの三角形(※3)によるモーダル補完効果に基づく輪郭の知覚。
3つの頂点の周辺だけに描かれた輪郭が手がかりとなって、
実際には存在しない三角形の輪郭が浮かび上がって見える。



 ただし、通常ではモニタの端で映像が隠れてしまうように知覚されるため、欠損が補完される感覚と像が手前にある立体感も生じません(図4a)。
 この問題を解決するため、本技術では透明視錯覚を利用しました。想定する隙間をまたがるような像の提示においては、透明視錯覚が生じる条件は「像の明るさが隙間および背景それぞれの明るさの間にあること」と定式化できます。
 この条件を満たすように像の明るさを操作した例を図4(b,c)に示しました。隙間が暗いときは背景を白く、隙間が明るいときは背景を黒く設定することで、透明視が生じる条件を満たしつつ3D像の明暗差(コントラスト)をできるだけ高く保つことができます。さらに、透明視知覚が主に空間的に狭い範囲の(局所的な)手がかりに基づいて起こることから、隙間の付近のみにこのような明るさ調整を施すことで、元の像の見た目を大きく損なわずに提示することも可能となります(図4d)。図4(b,c,d)のように適切に明るさを操作すると、図4 (e)のように、透明視が成立し、両眼融像時に3D像が枠を飛び越えて手前に知覚されるようになります。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください