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世界初、錯覚利用で複数モニタの枠を超えて飛び出す巨大3D空中像の提示システムを実現~透明視錯覚を活用した映像の欠損補完により3D映像を汎用的なデバイスで提示可能~

Digital PR Platform / 2024年6月17日 10時0分


[画像5]https://digitalpr.jp/simg/2341/89984/600_277_20240614180127666c06e74553d.png


図4透明視を生起させる明るさ調整の例。(a)調整前。(b)調整後。(c)隙間が明るい場合の調整例。(d)隙間付近のみに調整を施した例。(e)透明視が成立する条件における知覚像のイメージ。交差法・平行法によるデモンストレーションは(※5)を参照。


4.今後の展望
 隙間の広さや提示コンテンツの配置の仕方によって、脳内での欠損の補完のしやすさがどう変わるかなど、未だ解明できていない要素の追究が重要な方向性のひとつです。今後はこうした補完のメカニズムの解明に取り組むことで、より幅広い条件で3D像が知覚できる柔軟な技術へと発展させていきます。また、本手法で扱ったような液晶モニタだけでなく、プロジェクタなど、他のさまざまなディスプレイも含めて複合させて巨大3D映像を提示できる、ユビキタスな巨大3Dディスプレイの実現をめざします。
 さらには、奥行き方向に配置された複数個の2D映像のディジタルサイネージにより3D感を演出する技術など、不特定多数に対する没入型の映像体験の創出に取り組みます。透明視錯覚以外の人間の知覚処理メカニズムの解明や、これに基づく立体視を効果的に演出する映像デザインの構築により、より自然で簡易な分散ディスプレイ表現の拡張をめざします。


<用語解説>
※1 透明視錯覚
 2つの輪郭が交わる点の周囲の明るさの関係がある特定の条件を満たすことで引き起こされる知覚現象[Metelli, 1974; Adelson and Anandan, 1990; Anderson, 1997]。
 透明視が生じる条件を満たすと、隙間を構成する領域と提示した像とが2つの層に分離して知覚され、モーダル補完により手前側の層が繋がっているような錯覚を生じます[Nakayama, Shimojo, & Ramachandran, 1990; Anderson, 2003; Kitaoka, Gyoba, & Sakurai, 2006]

※2 研究の成果の一部は、2023年9月に第28回日本バーチャルリアリティ学会大会にてデモンストレーション発表されました。論文情報:三河祐梨, 篠田裕之: BrickDisplay: 視差映像ディスプレイの分散配置による欠損を許した巨大空中像提示, 第28回日本バーチャルリアリティ学会大会 (VRSJ2023), 1G-24 2023年9月12日, 東京.

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