1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. プレスリリース

世界初、eスポーツ対戦直前の脳波から勝敗と強く関わるパターンを発見・実証 〜「実力が拮抗した試合」や「番狂わせ」を約80%の精度で予測〜

Digital PR Platform / 2024年7月18日 15時10分

世界初、eスポーツ対戦直前の脳波から勝敗と強く関わるパターンを発見・実証 〜「実力が拮抗した試合」や「番狂わせ」を約80%の精度で予測〜

発表のポイント:

試合直前の脳波に勝敗と強く関わるパターンを発見しました。
勝敗予測モデルに試合直前の脳波データを導入することで、従来困難だった「番狂わせ」のような不確定要素の多い試合結果も高精度に予測可能なことを実証しました。
将来的には脳波のパターン分類に基づく個人のメンタルコンディショニングの確立が期待できます。

 日本電信電話株式会社(本社東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)は、eスポーツ対戦直前の脳波に勝敗と強く関わるパターンの存在を世界で初めて発見し、この脳波データから直後の試合結果を高精度に予測することに成功しました。
 本成果は、競技直前の脳に最適な状態が存在することを示すとともに、競技パフォーマンスの予測に脳情報が有効であることを示すものです。将来的に、スポーツ、医療、教育などさまざまな現場で活躍する人々の脳状態の最適化によるパフォーマンス向上や、熟練者の高度なスキルを生み出す脳状態のデジタル化によるスキル伝承の実現に向けた大きな成果です。
 eスポーツ勝敗と関連する脳波についての詳細は2023年6月16日、米国科学誌「iScience」に掲載され、勝敗予測技術についての詳細は2024年7月11日、オランダ科学誌「Computers in Human Behavior」に掲載されました。 

1.背景
 NTTコミュニケーション科学基礎研究所では、すべての人が自分の能力を最大限に引き出せる社会を目指して、心と体を調整する脳の仕組みを研究しています。アスリートは本番の強いプレッシャーの中で最高のパフォーマンスを発揮することを目指し、「メンタル」と呼ばれる本番に臨む状態を最適に調節しているものと考えられます。アスリートが本番に臨む際の脳状態はメンタルと強く関連していると考えられ、これまでにもいくつかの競技で脳状態と瞬間的なパフォーマンスとの関係は調べられてきました。しかし、実戦中の計測の困難さもあり、対戦競技の勝敗と関係する脳状態は見出されていませんでした。
 また近年、スポーツアナリティクス技術の進展に伴い、競技の勝敗予測をする技術は進展しており、過去の競技成績に基づいた試合結果の予測精度は飛躍的に向上しています。しかし、「実力が拮抗した試合」や「番狂わせ(※1)」といった不確定要素の多い試合結果の予測には困難を伴っていました。

2.研究の成果
 本研究では、身体運動機能の違いよりもメンタルゲームの側面が強く、脳計測に適している、eスポーツの格闘ゲームを対象に、試合中の選手の脳状態を脳波計測(EEG)(※2)により観測しました。これにより、アスリートが試合に臨む際の理想的な精神状態がどのような脳波パターンから生じるのかを調査しました。そして、対戦直前のプレイヤーの脳波データに存在する、勝敗と強く関連するパターンを特定しました。これにより脳波データから試合結果を約80%の精度で予測することが可能となり、従来の予測技術では難しい「実力が拮抗した試合結果」や「番狂わせ」といった試合展開も予測できる可能性が示されました。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください