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世界初、eスポーツ対戦直前の脳波から勝敗と強く関わるパターンを発見・実証 〜「実力が拮抗した試合」や「番狂わせ」を約80%の精度で予測〜

Digital PR Platform / 2024年7月18日 15時10分

2.1 勝敗と強く関連する脳波パターンの発見
 試合の勝敗と関連する脳波パターンを調査するため、eスポーツの格闘ゲーム熟練者同士が実戦と同じ2ラウンド先取制の試合を行っている最中の脳波(EEG)を計測しました。eスポーツの勝負には「戦略判断(※3)」と「感情制御(※4)」が重要であると言われており、プレイヤーへのアンケート結果からも、第1ラウンドの直前期間では戦略判断の重要性が高く、第3ラウンドの直前期間では感情制御の重要性が高いことがわかりました。そこで第1、第3ラウンドの直前期間の戦略判断と感情制御に関わる脳波パターンに着目し、それらと勝敗の関連を調べました(図1上)。すると、戦略判断に関わる左前頭脳領域のγ波(※5)が試合の序盤(第1ラウンドの直前)に増大している時、また感情制御に関わる左前頭脳領域のα波(※6)が試合の終盤(第3ラウンドの直前)に増大している時に試合に勝ち易いことが明らかになりました(図1下)。


[画像1]https://digitalpr.jp/simg/2341/91781/700_421_20240717142037669754a579fb0.JPG


2.2 脳波データで学習したモデルによる高精度な勝敗予測
 次に、試合直前の脳波パターンが試合結果をどの程度正確に予測できるのか評価するため、1ラウンド先取制で行われる試合直前の脳波データから、その試合の勝敗を予測するモデルを複数の機械学習手法で構築しました(図2A)。すると、最も成績の良いモデルには勝敗に関わる脳波の特徴量が獲得されており、試合の勝敗を約80%の精度で予測できることが明らかになりました。その内訳をみると、勝ちだけではなく負けも約80%で予測可能でした(図2B)。さらに、実力が拮抗した組み合わせの試合と番狂わせが起きた試合の勝敗予測を行うと、プレイヤーの過去の試合情報のような従来データでの学習では最も成績の良いモデルでも予測精度が低かった(図2D)のに対して、脳波データで学習したモデルではやはり約80%の高い精度で予測できることが示されました(図2C)。


[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2341/91781/700_550_20240717142037669754a57f321.JPG

(A)脳波データまたは従来データを用いた機械学習の模式図。(B)勝敗予測精度とその混同行列。全試合、実力が拮抗した試合、番狂わせが起きた試合に対して、(C) 脳波データまたは (D) 従来データを使って学習したモデルの勝敗予測精度を比較した結果。

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