世界最短グラフェンプラズモン波束の電気的発生・伝搬制御・計測に成功 ~テラヘルツ周波数の超高速信号処理の実現に貢献~
Digital PR Platform / 2024年7月22日 15時12分
2. 研究の成果
研究グループは、レーザーパルスを使って発生させたTHz領域の超短電気パルス(3.本研究における技術のポイント①および図2)をグラフェンデバイス(3.本研究における技術のポイント②および図3)に入射することで、グラフェンプラズモン波束の伝搬特性およびその制御性、プラズモン発生効率を評価しました。
[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2341/92021/700_339_20240722074748669d9014a9ece.JPG
[画像3]https://digitalpr.jp/simg/2341/92021/700_324_20240722074749669d90157a90a.JPG
その結果、以下の3点が今回の実験で初めて明らかになりました。
① 1.2ピコ秒の超短グラフェンプラズモン波束をチップ上で発生・伝搬制御・計測することに成功しました(図4(a))。このパルス幅は入射前の電気パルスの時間幅と同等であり、電気的に励起されたプラズモン波束として世界最短であることが分かりました。これはTHz領域の電気信号を歪ませることなく伝送できていることを示しています。
② グラフェンの電荷密度をゲートにより電気的に変調することで、プラズモン波束の位相と振幅を制御できることが分かりました(図4(b))。位相と振幅の制御は、あらゆる信号処理を実現するための基本的な操作であり、THz領域の電気信号を扱う新しい素子動作を実証できたことを意味します。
[画像4]https://digitalpr.jp/simg/2341/92021/600_328_20240722074749669d90156e36d.JPG
③ ゲート電極の材料を最適化することで電気パルスからグラフェンプラズモン波束への変換効率が最大で35%に達しました(図5)。この値は、従来の光からプラズモンへの変換効率を数桁上回る(※4)ものであり、グラフェンプラズモンはTHz領域の電気信号を扱うことに本質的に適していると言えます。また、変換効率だけでなく閉じ込め効果や伝搬速度、パルス幅がゲート電極によって大きく変化することを明らかにしました。これらの知見により、目的に応じてデバイス構造を最適化することが可能になります。
[画像5]https://digitalpr.jp/simg/2341/92021/700_271_20240722074749669d90158095d.JPG
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