ヒトiPS細胞由来の肝臓オルガノイド移植による革新的な肝線維化治療法の開発
Digital PR Platform / 2024年7月25日 8時30分
[画像5]https://digitalpr.jp/simg/1706/92196/550_373_2024072414202366a08f17de094.jpg
図4: ヒトiPS細胞由来肝臓オルガノイド移植による線維化改善メカニズム
(左)ヒトiPS肝臓オルガノイド(LO)による炎症抑制性マクロファージ(M2-MΦ)分化誘導。LOと共培養したMΦは、LOと共培養していないMΦと比較してM1-MΦマーカーの発現に変化は認められなかった。一方、LOと共培養したMΦは、LOと共培養していないMΦと比較してM2-MΦマーカーの発現亢進が認められた。(右)ヒトiPS肝臓オルガノイド移植による線維化領域の減少効果は、マクロファージ阻害薬の添加によりキャンセルされた。MΦを阻害した肝臓では、MΦ(F4/80陽性細胞)の中でもM2-MΦ(CD163陽性細胞)が顕著に減少していた。
以上より、ヒトiPS細胞由来肝臓オルガノイド移植は、線維化肝臓内のマクロファージを炎症促進性マクロファージ(M1-MΦ)が優位な状態から、炎症抑制性マクロファージ(M2-MΦ)が優位な状態に生体内環境を人為的に変化させることにより、肝線維化を改善するという新たな機序による肝線維化に対する治療戦略の開発に成功しました。今回の研究成果は、細胞や臓器の機能補助に着目した、従来の再生医療とは全く異なった革新的な治療コンセプトと治療戦略を提示しています。すなわち、宿主肝臓の生体内におけるマクロファージを介した免疫制御による肝線維化治療の可能性を示しており、難治性線維症に対する新たな治療法の開発につながる可能性があります。特に全世界で患者数の急増が予想されている代謝異常関連脂肪肝炎(Metabolic dysfunction-associated steatohepatitis (MASH) (非アルコール性脂肪性肝炎より病名変更)) を背景とする肝硬変について、脂質代謝制御を主な治療ターゲットとする従来の薬剤とは全く異なるアプローチにより、肝線維化の改善効果をもたらすことが期待されます。本研究成果を元にヒトを対象とする臨床開発を推進することにより、世界的な大きな波及効果をもたらすことが期待されます。
〇関連情報:
「プレスリリース① iPS細胞から血管構造を持つ機能的なヒト臓器を創り出すことに成功!」(2013/7/4)
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20130704/
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