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肝臓の線維化マクロファージが作られる機序を解明~代謝障害関連脂肪肝炎の新規治療法の開発に期待~

Digital PR Platform / 2024年7月24日 14時5分


用語の説明
・代謝障害関連脂肪肝炎 (Metabolic-Dysfunction Associated Steatohepatitis, MASH)
糖尿病や高脂血症など、種々の代謝障害を背景に、肝臓に余分な脂肪が蓄積し、炎症と再生を繰り返しながら、徐々に肝組織の破壊が進行する慢性肝疾患のこと。

・単球
骨髄で作られる自然免疫細胞の一種で、MASHでは炎症に伴って血流から肝臓に浸潤する。そのうち一部はさらに、肝臓内でマクロファージへと分化し、MASHの進展に関与する。

・瘢痕関連マクロファージ (Scar-associated macrophage, SAM)
単球から分化し肝臓の線維の近傍に局在する、マクロファージの亜集団のこと。血管内皮細胞や肝星細胞と相互作用して肝線維化を促進すると考えられている。

・肝脂肪関連マクロファージ (Hepatic Lipid-associated macrophage, hLAM)
SAMと同じく、肝臓に浸潤した単球から分化したマクロファージの亜集団のこと。肥満時の白色脂肪組織で増加する単球由来マクロファージ(LAM)に遺伝子発現が似ていたため、「肝臓のLAM」と言う意味で名づけられた。

・クッパー細胞 (Kupffer cell, KC)
健康なマウスの肝臓に常在する組織マクロファージの一種で、類洞に沿って局在している。SAMやhLAMとは異なり、骨髄単球ではなく、胎生期の卵黄嚢に存在するerythro-myeloid progenitors (EMPs)に由来する。自己複製によって維持され、死んだ肝細胞や毒素の除去など恒常性維持に関わる。

・一細胞RNAシークエンス解析
約2万種類の遺伝子発現レベルを、一つの細胞ごとに測定する解析技術。遺伝子発現パターンの違いをコンピューターに解析させることで、異なる細胞の類似性や特性を網羅的に理解することができる。

・転写因子
DNAに結合して、遺伝子の転写を調節するタンパク質のこと。細胞に特徴的な遺伝子発現を制御することで、細胞の性質や分化の方向性の決定に密接に関与する。

・長鎖飽和脂肪酸
炭素数12以上で、かつ炭素間に二重結合を持たない脂肪酸のこと。主に乳製品や肉製品など動物に由来する脂質に豊富に含まれている。

・長鎖不飽和脂肪酸
炭素数が12以上で、かつ炭素間に二重結合をひとつ以上もつ脂肪酸のこと。主に植物由来の油や、魚製品に豊富に含まれている。



研究支援
本研究は、AMED-CREST 「生体組織の適応・修復機構の時空間的解析による生命現象の理解と医療技術シーズの創出」研究開発領域における研究開発課題「NASHにおける肝リモデリングを制御する細胞間相互作用の解明と革新的診断・治療法創出への応用」(研究開発代表者:国立国際医療研究センター 田中稔、研究開発分担者:東京薬科大学 田中正人)、小野医学研究財団(研究代表者:東京薬科大学 浅野謙一)などの支援を受けて行われたものです。


▼本件に関する問い合わせ先
入試・広報センター
住所:東京都八王子市堀之内1432-1
TEL:042-676-4921
FAX:042-676-8961
メール:kouhouka@toyaku.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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