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超解像顕微鏡が解き明かす染色体凝縮の仕組み

Digital PR Platform / 2024年8月22日 14時0分



■成果掲載誌
 本研究成果は、国際科学雑誌「Nature Communications」に2024年8月21日(日本時間)にオープンアクセスとしてオンライン掲載されました。

論文タイトル: Single-nucleosome imaging unveils that condensins and nucleosome-nucleosome interactions differentially constrain chromatin to organize mitotic chromosomes.
(1分子ヌクレオソームイメージングにより、コンデンシンとヌクレオソーム間の相互作用がクロマチンを制約し、分裂期染色体を組織化することが明らかになった)
著者: Kayo Hibino, Yuji Sakai, Sachiko Tamura, Masatoshi Takagi, Katsuhiko Minami, Masa A. Shimazoe, Toyoaki Natsume, Masato T. Kanemaki, Naoko Imamoto, Kazuhiro Maeshima* *責任著者
(日比野佳代、境祐二、田村佐知子、高木昌俊、南克彦、島添將誠、夏目豊彰、鐘巻将人、今本尚子、*前島一博)
DOI: 10.1038/s41467-024-51454-y
https://www.nature.com/articles/s41467-024-51454-y


■研究の詳細
● 研究の背景
 私たちの体を構成する細胞一つ一つには、全長2メートルにおよぶゲノムDNAが収められています。DNAは直径2ナノメートルの細い糸状の物質で、「ヒストン」という樽状のタンパク質に巻き付くことで「ヌクレオソーム」という構造を作ります(図1左)。ヌクレオソームにさまざまなタンパク質が結合することでDNAはさらに折りたたまれ、「クロマチン」と呼ばれる形を取り、細胞の中に収納されます。国立遺伝学研究所の前島教授らは、2008年よりヌクレオソームが不規則に、そしてダイナミックに細胞内に収められていることを提唱してきました。先行研究より、クロマチンが平均直径200ナノメートルほどの不規則に凝縮した「塊」(クロマチンドメイン)を形成していることが明らかとなっています(図1左)。細胞が分裂する際、複製されたクロマチンドメインが束ねられ、染色体 (図1右) として娘細胞に正確に分配される必要があります。これにはコンデンシン(3)というタンパク質が重要な役割を果たしますが、コンデンシンがどのようにしてDNAに働き、染色体を構築するのかは不明でした。
 また、分裂している生きた細胞において、染色体をナノメートルのスケールで詳細に観察することは困難であったため、染色体のなかでヌクレオソームが局所的にどのように振る舞うのかは、明らかになっていませんでした。

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