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超解像顕微鏡が解き明かす染色体凝縮の仕組み

Digital PR Platform / 2024年8月22日 14時0分


[画像3]https://digitalpr.jp/simg/1706/93685/300_284_2024082212242766c6af6b2838a.jpg
 


図3:ヌクレオソームの揺らぎは、コンデンシンなどの染色体を構築するタンパク質の染色体内部への侵入や染色体内の移動を促し、効率的な凝縮反応を可能にする。








● 今後の期待
 本研究は細胞分裂中の染色体構築過程のコンデンシンとヌクレオソームの役割を明らかにしました。これにより、遺伝情報を維持し、染色体の正確な分配を理解するための重要な手がかりが得られました。得られた知見は、細胞分裂のメカニズムを解明し、細胞分裂の異常に関連する「がん」などの疾患の理解・治療につながることが期待されます。

動画:https://youtu.be/9l2DqQOx68k
動画の説明:超解像蛍光顕微鏡により観察された生きた細胞の核内(左)と染色体(右)におけるヌクレオソームのゆらぎの動画。個々のドットが単一のヌクレオソームを示している。左下は秒表示。

■用語解説
(1) ゲノム
生物の全遺伝情報のセットでDNA(一部のウイルスではRNA)にコードされている。木原均(元国立遺伝学研所長)によってその概念が提唱された。
(2) 分裂期染色体
細胞が分裂する際、ゲノムDNAが高度に凝縮されてできる棒状の構造体。
(3) コンデンシン
染色体形成に必須とされている5つのタンパク質よりなる複合体。染色体中に軸のように存在する。
現 理研主任研究員・平野達也らのグループによって1997年に発見された。
(4) ナノメートル
1メートルの10の9乗分の1(10-9)。
(5) 超解像蛍光顕微鏡
通常の光(可視光)を用いた顕微鏡で観察する場合は、200ナノメートル程度の大きさの構造をとらえるのが限界である(光の回折限界)。しかし、超解像蛍光顕微鏡はこの限界を超えて(超解像)、より小さな構造まで観察することができる。本研究では、クロマチンのヌクレオソームをまばらに蛍光標識することで個々のヌクレオソームの動きを観察できるようになった。
(6) 固定
細胞の内部の構造を観察するために安定化(動かなく)すること。化学物質を用いる方法や、細胞を急速凍結する方法などがある。

■研究体制と支援
 本研究成果は、国立遺伝学研究所・ゲノムダイナミクス研究室の日比野佳代 助教(JST さきがけ研究員)、田村佐知子 テクニカルスタッフ、南克彦 総研大大学院生(元SOKENDAI特別研究員、現 学振特別研究員DC2)、島添將誠 総研大大学院生(学振特別研究員DC1)、前島一博 教授 、分子細胞工学研究室の夏目豊彰 助教(現 東京都医学総合研究所 研究員)、鐘巻将人 教授、横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科の境祐二 特任准教授、理化学研究所の高木昌俊 専任研究員、今本尚子 主任研究員(現 滋慶医療科学大学大学院教授)との共同研究成果です。
 本研究は、日本学術振興会(JSPS) 科研費(JP20K06482, JP21H02453, JP23K17398, JP24H00061, JP23KJ0998, JP20K06594, JP21H0419, JP23H04925)、学術変革領域A「ゲノムモダリティ」(JP20H05936)、科学技術振興機構(JST) PRESTO (JPMJPR21ED)、CREST (JPMJCR21E6)、 JST 次世代研究者挑戦的研究プログラム(JPMJSP2104)、武田科学振興財団の支援を受けました。


[画像4]https://digitalpr.jp/simg/1706/93685/350_77_2024082016350666c4472a67c8f.jpg







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