【東芝】小型化と世界最高レベルの精度を両立した物体の動きや姿勢を検出する「慣性センサーモジュール」と、同モジュールを用いた「可搬型ジャイロコンパス」を開発
Digital PR Platform / 2024年9月2日 10時0分
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図1:東芝が開発した慣性センサーモジュール
さらに、東芝電波プロダクツは、今般東芝が開発したジャイロセンサーモジュールを用いて、持ち運び可能なサイズ(約4リットル、Φ180mm x 高さ161.6mm)でありながら高精度な方位角測定が可能なジャイロコンパスを開発しました(図2)。ジャイロコンパスとは、地磁気を利用する一般的な磁気コンパス(測定精度:数°程度)と異なり、ジャイロセンサーを用いて地球の自転を計測することで地磁気等に頼らずに真北の方位を正確に測定する装置で、周囲の環境変化に影響されず性能を維持できる点から近年注目が高まっています。現在市販されているもののうち、精度が高い機械式・光学式のジャイロセンサーを用いたものは数十リットル以上のサイズで持ち運びが難しい一方、可搬型サイズのものは十分な精度が出ないという課題がありました。これに対し、今般開発したジャイロコンパスは、搭載したジャイロセンサーの設置方向を90°刻みで切り替えていく「メイタギング法」と呼ばれる手法を用いることで、現在市販されている、MEMS技術を用いた可搬の小型ジャイロコンパスの測定精度である1°程度を大きく凌駕する0.056°の方位角精度での真北推定を実現しました。現段階では、世界最高の精度です(*9)。
0.056°は1ミルとも呼ばれ、1km先で1m以内の誤差となる精度に相当します。この精度は、極めて高い正確性が求められる防衛分野でレーダーなどの設置方向を決める際にも用いることができる指標とされています。また、可搬サイズであることを生かし、正確性が求められる土木工事における測量や地中掘削における方角推定など、幅広い場面での活用が見込まれます。
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図2:東芝電波プロダクツが試作した可搬型ジャイロコンパス
今後の展望
今後東芝は、搭載物の軽さが重視される飛翔体や空中ドローンなどに対しても、飛行に影響を与えることなく搭載できる10cc級の超小型サイズ(ペットボトルキャップの大きさ)の慣性センサーモジュールの実現に向け、さらなる小型化を目指し研究開発を進めます。これにより、防衛・民生の幅広い市場への展開を目指します。また、東芝電波プロダクツは、今般開発したジャイロコンパスについて、2026年度以降の製品化を目指します。
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