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抹茶による社会的認知機能(顔表情からの感情知覚)と睡眠の質への効果を確認し、8月30日(金)に学術雑誌PLOS ONEへ掲載

Digital PR Platform / 2024年9月2日 15時0分

本臨床試験では、抹茶の長期摂取の介入前後に、試験参加者への認知機能検査、睡眠調査、血中バイオマーカー測定、脳イメージングなどを実施し、抹茶の効果を総合的に解析しました。


〇臨床試験の方法
60歳から85歳の高齢者を939名募集し、そのうち、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)およびプレクリニカル期にあたる主観的認知機能低下(SCD)と診断された99名を対象に、抹茶の長期摂取による認知機能等への影響を、二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験により検証しました。試験食品は、抹茶群では抹茶2gを充填したカプセルを、プラセボ群では着色コーンスターチを充填したカプセルをそれぞれ用いました。使用した抹茶の1日あたりの摂取量は、薄茶お点前一杯相当量にあたります。試験開始時から12か月間の各評価項目の変化を混合効果モデル(※用語4)により統計的に検証しました。

〇抹茶による「社会的認知機能(顔表情からの感情知覚)」と「睡眠の質」への効果を確認
認知機能に関しては、認知症やMCIのスクリーニング等に用いられる神経心理学的検査(MMSE-J、MoCA-J等)での得点で抹茶群とプラセボ群の間に差はみられませんでしたが、コグニトラックス検査(CNS Vital Signs日本語版)(※用語5)による認知機能の領域別の評価では、抹茶群はプラセボ群に比較して、表情認知テストで表される社会的認知、具体的には顔表情からの感情知覚の精度が有意に改善することが確認されました(図「社会的認知」・左)。また、睡眠の質についてピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)(※用語6)を用いて評価した結果、抹茶群でPSQIスコアが低下し、睡眠の質が向上する傾向が示されました(図「PSQIスコア」・右)。


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本研究チームは、お茶の価値を科学的に捉え、「人生100年時代を豊かに生きる」ための生活改善提案に向けて研究を進めてきました。本研究では、抹茶が新たに「社会的認知機能(顔表情から感情知覚)」を改善する効果を有することが示されました。この社会的認知はDSM-5(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorder;精神疾患の診断・統計マニュアル第5版/米国精神医学会発行)にある認知症診断基準にある項目であり、高齢者の認知機能としてだけでなく、コミュニケーション能力や日常生活、さらには社会参加においても重要と考えられます。また、カフェインを含有する抹茶の摂取にもかかわらず、「睡眠の質」に悪影響がなく、むしろ改善傾向がみられた点も注目に値します。睡眠の質の維持が認知機能の維持にもつながることが期待されるため、これらの知見は非常に重要であると考えます。

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