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新型コロナ拡大により国内の往診やターミナルケア、看取りが急増

Digital PR Platform / 2024年9月4日 10時28分

3. 成果
分割時系列分析の結果、訪問診療の利用回数に変化は見られませんでした。一方、往診では経時的な増加傾向が観察されました(レベル変化:686回/月、95%CI: -8,733~10,105;トレンド変化:1,258回/月、95%CI: 43~2,473)。ターミナルケアではパンデミック直後に1,116回/月(95%CI: 549~1,683)と急激な増加を示し、その後も141回/月(95%CI: 73~209)の経時的な増加傾向を示しました。同様に、在宅での死亡もパンデミック直後に1,459回/月(95%CI: 612~2,307)と急激な増加を示し、その後も215回/月(95%CI: 114~317)の経時的な増加傾向を示しました。
ターミナルケアを患者が在宅医療を受ける場所に層別化すると、介護施設にいる患者ではパンデミック直後の急激な増加はみられず(46回/月、95%CI: -109~201)、47回/月(95%CI: 29~66)の経時的な増加傾向のみが観察されました。対照的に、自宅にいる患者では水準がパンデミック直後から1,070回/月(95%CI: 630~2,770)と急激に増加し、その後も94回/月(95%CI: 41~147)の経時的な増加傾向を示しました。在宅医療を提供する医療機関の分類で層別化すると、利用回数は機能強化型在支診・在支病、従来型在支診・在支病、一般診療所および病院の順に大きく増加していました。



4. 今後の応用、展開
本研究は私たちの知る限りで、在宅医療のサービス利用がコロナ禍によって受けた影響を定量的に明らかにした、初の全国規模のデータベース研究です。
本研究の成果により、COVID-19パンデミックによって在宅医療のうち往診やターミナルケアの利用が急増し、在宅医療サービスがコロナ禍における緊急の対応や終末期ケアといった重要な役割を担っていたことが示されました。これらの知見は、現在の在宅医療が担っている患者中心のケア提供モデルとしての役割を再評価し、また将来の感染症流行時における在宅医療サービスの需要を予測し、医療資源の戦略的分配を再検討するための貴重な基礎資料となるものです。

5. 論文情報
Shibata M, Aoki T, Matsushima M, Impact of the COVID?19 Pandemic on Home Medical Care Utilization in Japan: An Interrupted Time Series Analysis, Journal of General Internal Medicine, 2024. https://doi.org/10.1007/s11606-024-09003-2

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