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物質の相転移を用いて、光のトポロジカル相転移を世界で初めて実現 ~オンデマンドに再構成可能な新機能光集積回路につながる新しい光制御の開拓~

Digital PR Platform / 2024年9月6日 15時11分

論文情報
掲載誌: Science Advances
論文タイトル: Photonic topological phase transition induced by material phase transition
著者: Takahiro Uemura, Yuto Moritake, Taiki Yoda, Hisashi Chiba, Yusuke Tanaka, Masaaki Ono, Eiichi Kuramochi, and Masaya Notomi
DOI: 10.1126/sciadv.adp7779

【用語解説】
※1.トポロジカル不変量:図形や物体の形状を連続的に変形しても変化しない離散的な量(一般には整数または半整数)。この量が規定できることによりトポロジカルな性質が現れる。
※2.チャーン数:トポロジカル不変量の一種で、周期構造中の波動の形状で決まる離散的な数。電子は結晶中では波動として振舞うので、チャーン数を定義することができる。一般にチャーン数がゼロでなくなると、トポロジカルな性質が現れる。
※3.トポロジカル絶縁体:内部は電気を通さない絶縁体だが、チャーン数が異なる接合面や表面には伝導状態が生じる。この伝導状態はスピンの向きによって伝搬方向が決まるという特異な性質を持つ。
※4.フォトニック結晶:光の波長程度の周期で周期的に屈折率が変調された誘電体の人工構造。通常、微細加工技術を用いて、半導体に周期的な穴を形成して実現する。
※5.光トポロジカル絶縁体:有限のチャーン数を持ち、※3と同様な性質を光の状態として持つ。内部には光が侵入できないが、チャーン数が異なる接合面に光の導波路が形成され、光の渦状態の向きによって伝搬方向が決まる。
※6.バンド反転:電子や光は結晶中でエネルギーまたは周波数がバンド構造をとることが知られているが、ある二つのバンドのエネルギーまたは周波数の大小関係が逆転するときに、チャーン数がノンゼロになりトポロジカルな性質が発現することが知られている。本成果では、物質の相転移によりフォトニック結晶のバンドを反転させて、トポロジカルな性質を切り替えている。
※7.GST:化学組成Ge2Sb2Te5のカルコゲナイド系相変化物質, 室温において結晶相とアモルファス相という二つの安定な相が存在し、一時的な温度変化やレーザ光照射などによって相転移を起こすことができる。結晶相とアモルファス相では大きく屈折率が異なるため、この変化を利用して書き換え可能なDVDであるDVD-RWなどの様々なデバイスに応用されている。
※8.角度分解反射分光法:フォトニック結晶の反射光を用いて光のバンド構造を測定する手法。

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