食品の摂取頻度・嗜好と生活習慣病の関連に一部性差が見られることを明らかに
Digital PR Platform / 2024年9月6日 12時35分
~食育を活用した、健康づくりをめざして~
藤田医科大学 臨床栄養学講座 飯塚勝美教授と健康管理部 成瀬寛之教授の研究グループは、職員の健康診断で聴取した食事頻度調査の結果を男女別に分け解析しました。
男女ともに肉や野菜に比べて、魚、海藻、果物、芋類は食べる頻度が低いことがわかりました。細かく見ると、男性は肉、魚、清涼飲料水、アルコールを摂取する傾向が強く、女性は大豆、乳製品、野菜、果物、スナック菓子を摂取する傾向が強いことがわかりました。性別に関係なく関連が見られるものは、アルコールと尿酸、アルコールとHDL-C、睡眠時間とHbA1c、芋類とトリグリセリドでした。グルコースから脂肪酸やトリグリセリドが作られること、ビールなど醸造酒に含まれるプリン体から尿酸が作られることから、原料と代謝物の関係が見られる場合は性別に関係なく関連することがわかります。
性別ごとの影響が違うものとして、男性は、肉の摂取頻度がHbA1cと正の相関、eGFRと負の相関を示したのに対し、女性は、魚の摂取頻度がeGFRと正の相関を示しました。卵と大豆の摂取頻度は、女性においてのみ非HDL-Cと正と負の関連を示しました。食事の摂取頻度・嗜好が代謝パラメータに及ぼす影響は年齢や性別によって異なるため、食事指導の重点を性別や年齢層によって変えることが効果的であると予想されます。今後性差を考慮した生活習慣病の栄養指導が有効か、前向き研究で証明することが必要です。
本研究成果は、学術ジャーナル「Nutrients」でオンライン版が2024年9月2日に公開されました。
論文URL : https://www.mdpi.com/2072-6643/16/17/2931
<研究成果のポイント>
日本人において、男性と女性の食品の摂取頻度・嗜好の違いが見られた
男性は肉、魚、清涼飲料水、アルコールを、女性は大豆、乳製品、野菜、果物、スナック菓子を摂取する傾向が強かった
アルコール飲料と尿酸、芋類(澱粉)とトリグリセリド(脂質)のように、直接の因果関係があるものは性別、年齢、体格に関係なく関連が見られた
HbA1c、eGFR、non-HDL-Cについては、性別ごとに食品の摂取頻度・嗜好との関連は異なる
今回の研究結果を職員向けの料理教室を活用した食育に活用するとともに、性別を考慮した栄養指導に効果があるかを前向き試験で検証する必要がある
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