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食品の摂取頻度・嗜好と生活習慣病の関連に一部性差が見られることを明らかに

Digital PR Platform / 2024年9月6日 12時35分


<背 景>
食事の嗜好は、年齢、性別、住んでいる環境(文化)の影響を受けます。食事の嗜好の違いは代謝パラメータに影響を与えると考えられますが、日本人の特徴はあまり調べられていませんでした。さらに、性別ごとの食事の嗜好性が代謝疾患の治療ガイドラインに反映されていることは、これまでありませんでした。
近年、健康経営の観点から、従業員の健康管理は人的資本の強化に重要であり、食事環境の調査はその基本になるとの考え方がスタンダードになってきました。そこで、藤田医科大学の職員を対象に、性別ごとの食品摂取頻度を調べ、次にそれぞれの食品摂取頻度が代謝マーカー(血糖、腎機能、脂質、尿酸)に及ぼす影響を調べました。


<研究手法・研究成果>
藤田学園の職員健診を受けた方で食事頻度調査を行った3147人(平均年齢35歳、M: 968人, F: 2179人)を対象に10品目(肉、魚、卵、乳製品、大豆、緑黄色野菜、芋類、海藻、果物、脂類)の摂取頻度、スナック類などおやつの摂取頻度、砂糖を入れたコーヒー・紅茶の摂取頻度、清涼飲料水の摂取頻度、アルコール摂取頻度を性別ごとに調査しました。さらに性別ごとに、HbA1c、eGFR(腎機能)、尿酸、脂質(トリグリセリド、HDL-C、non-HDL-C)などの代謝マーカーとの関連を、年齢、BMIで調整し、検討しました。
男女間の食品の摂取頻度・嗜好はそれぞれ違うため、食品の摂取頻度・嗜好が血糖や脂質など代謝パラメータとの関連は男女間で異なる可能性があります。20~59歳の日本人3147人(男性968人、女性2179人)の健康診断所見を対象とした観察研究を実施し、性・年齢による食習慣の違い、食事頻度と血液パラメータ(eGFR、HbA1c、尿酸、脂質)の関連を検討しました。その結果、男性は肉、魚、清涼飲料水、アルコールを摂取する傾向が強かったのに対し、女性は大豆、乳製品、野菜、果物、スナック菓子を摂取する傾向が強くみられました。年齢とBMIで調整した多変量線形回帰モデルでは、男性は、肉の摂取頻度がHbA1cと正の相関(β=0.007、p=0.03)、eGFRと負の相関(β=−0.3、p=0.01)を示したのに対し、女性は、魚の摂取頻度がeGFRと正の相関(β=0.4、p=0.005)を示しました。卵と大豆の摂取頻度は、女性においてのみ非HDL-Cと正負の関連を示しました(卵:β=0.6、p=0.02、大豆:β=−0.3、p=0.03)。アルコール摂取頻度は、男女ともに尿酸(男性:β=0.06、p<0.001、女性:β=0.06、p<0.001)およびHDL-C(男性:β=1.0、p<0.001、女性:β=1.3、p<0.001)と関連していました。

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