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大阪大学公式クラウドファンディング(大阪大学×近畿大学 コラボプロジェクト) 腹部大動脈瘤の治療薬創出を目指して! ―「腹部大動脈瘤患者に対する世界初のトリカプリン投与試験」にご支援を ―

Digital PR Platform / 2024年9月10日 14時5分

【腹部大動脈瘤とは】
腹部大動脈は通常直径20mm程度の管状の血管ですが、腹部大動脈瘤患者さんでは一部が直径30mm以上のコブ状に膨れていき、最終的に破裂する危険性があります。大きくなるペースは人により様々で、悪化を防ぐ薬はありません。直径が50mm*を超えると破裂を予防する手術を行うか検討されていますが、基本的にはそれ以下の小さい腹部大動脈瘤に対して予防的手術は行われません(*海外の臨床試験で、55mmより小さい腹部大動脈瘤に手術をしても予後が良くならないことが知られています。日本では欧米諸国に比して手術の死亡率が低く、50mmからの早期の手術が計画されます)。


※図1参照


腹部大動脈瘤は大きくなっても気づかず、破裂して初めて強い症状が出ることがあります。破裂時の死亡率は極めて高く、80%程度と考えられています。


※図2参照


【トリカプリンとは】
炭素(C)の数が10個の脂肪酸で構成される中性脂肪(TG)の一種で、C10-TGと表記されることもある。トリカプリンは母乳にも含まれている栄養成分で、中性脂肪の一種です。近畿大学農学部応用生命化学科 財満信宏教授ら(写真1)と大阪大学大学院医学系研究科 平野賢一特任教授(常勤)の研究チームは、このトリカプリンがラットの腹部大動脈瘤を縮小させる効果((腹部大動脈瘤の発症を抑制し、縮小させる成分を発見-ResOU(osaka-u.ac.jp))、写真2)を発見しました。

この画期的な発見を基に、大阪大学大学院医学系研究科・中性脂肪学共同研究講座 樺敬人特任研究員(常勤)、平野賢一特任教授(常勤)、同 循環器内科学講座、心臓血管外科学講座、放射線統合医学講座の研究グループは、【腹部大動脈瘤患者に対する世界初のトリカプリン投与試験:F-HAAAT試験】を開始しました(臨床研究等提出・公開システム(niph.go.jp))。




※図3,4参照


【臨床試験(F-HAAAT試験)の内容】
この試験では、10人の腹部大動脈瘤患者さんを対象に、1年間毎日、高純度のトリカプリンカプセルを服用して頂き、安全に服用できるか、ヒトでも腹部大動脈瘤が退縮するかを検証します。
本試験によりトリカプリンの腹部大動脈瘤に対する良い効果が観察されれば、現状では手術適応のサイズ(直径50mm以上)になるまで待つしかない腹部大動脈瘤に対する全く新しい治療法開発の第1歩となり得ます。(2024/5/31プレスリリース:「腹部大動脈瘤患者に対する世界初のトリカプリン投与試験を開始」)

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