追手門学院大学の高見剛教授らの研究チームがアニオン副格子の回転運動を用いたフッ化物イオン伝導体の創出に初めて成功 ― 全固体フッ化物イオン電池実現に向けて新たな一歩
Digital PR Platform / 2024年9月13日 20時5分
【今後の展望】
アニオン副格子の回転運動を利用することで、フッ化物イオン伝導が促進されるというブレークスルーを得ることができた。既存のアプローチに限界が見える背景のもと、本研究では視点を変え、アニオン副格子が存在するユニットセルを膨張させることで、この動的なアニオン副格子を制御した。
本研究は、イオン伝導率向上に向けてアニオン副格子の効果を最大化するための原理を構築する意義を有する。
【研究者コメント】
フッ化物イオン伝導体において、アニオン副格子の回転運動に伴うフッ化物イオン伝導の発現を実証し、特に、実験と理論の共創により、拡散の機構解明を成し遂げました。
このことは、アニオン副格子が静的に動かないものであるという常識を覆し、より伝導率が高いフッ化物イオン伝導体創出に向けた戦略の広がりへの嚆矢となります。
【論文情報】
・論文タイトル: Fluoride-ion conduction by synergic rotation of the anion sublattice for Tl₄.₅SnF₈.₅ analogues
・著者: T. Takami(責任著者), N. Yasufuku, M. Ivonina, T. Tada(責任著者), K. Tani, C. Pattanathummasid, K. Mori
・雑誌名: Chemistry of Materials
・DOI: 10.1021/acs.chemmater.4c01626
・公開日: 2024年9月10日(米国時間)
・URL: https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.chemmater.4c01626
本研究は、主に以下の事業の支援を受けて実施されました。
・科研費 基盤研究(B), 22H02167, 23K23435
・挑戦的研究(萌芽), 24K21808
・藤森科学技術振興財団
・三菱財団 自然科学研究助成, 202210032
・高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の中性子共同利用S1型実験課題, 2019S05
・智慧とデータが拓くエレクトロニクス新材料開発拠点, JPMXP1122683430
・スーパーコンピュータ「富岳」成果創出加速プログラム, JPMXP1020230327
・スーパーコンピュータ「富岳」の計算資源, hp230212
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