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ビタミンBの吸収・代謝には亜鉛栄養が重要

Digital PR Platform / 2024年9月18日 13時9分

<用語解説>
ENPP (Ectonucleotide pyrophosphatase/phosphodiesterase): アデノシン三リン酸(ATP)をAMPに加水分解する酵素。ヒトではENPP1からENPP7までの7種類のホモログが発現するが、ENPP1とENPP3がビタミンB2のリン酸エステルの加水分解に関わる。

CD73: AMPをアデノシンに加水分解する酵素(5’-nucleotidase)。細胞外で機能する5’-nucleotidaseは本酵素のみであり、ビタミンB2のリン酸エステルの加水分解に関わる。

ALP (Alkaline phosphatase): ATP、ADP、AMPの全てを加水分解できる酵素。ヒトではTNAP、IAP、PLAP、GCAPの4種類のアイソザイムが存在し、ビタミンB1、B2、B6のリン酸エステルの加水分解に関わる。

<研究者のコメント>
 ヒト体内には、500種類を超える亜鉛依存性酵素が働いていると考えられています。これらの酵素は亜鉛欠乏時に一様に活性が低下するのではなく、活性が低下しやすい酵素としにくい酵素に分類できることがわかってきています。今回見出したALP、CD73、ENPP1、ENPP3は、亜鉛欠乏時に最も活性が低下しやすい酵素ですので、これら4つの酵素が関わるビタミンB代謝のような代謝系が亜鉛欠乏症の多様な症例に関わることが予想されます。今後も、ビタミンとミネラルという重要な生理活性物質を相互作用についての詳細を明らかにして、健康維持・増進に役立つ知見を提示したいと考えています。

<論文タイトルと著者>
タイトル Rate of hydrolysis of the phosphate esters of B vitamins is reduced by zinc deficiency: In vitro and in vivo(ビタミンBのリン酸エステルの加水分解速度は、亜鉛欠乏により低下する:In vitroとin vivoでの研究)
著  者 Hana Yuasa, Kiyoshi Miyazaki, Takamasa Kido, Katsutoshi Nishino, Miku Shiotsu, Tsutomu Fukuwatari, Machi Suka, Masaya Nagao, and Taiho Kambe
掲 載 誌 The FASEB Journal
DOI 10.1096/fj.202401207R

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