腸内細菌叢を利用した肝細胞がんのモニタリングと免疫療法反応予測につながる技術を発見
Digital PR Platform / 2024年10月4日 11時6分
~肝細胞がんにおける腸内細菌を標的とした新たな治療法の開発が期待されます~
藤田医科大学(愛知県豊明市)消化器内科学講座、医科プレ・プロバイオティクス学講座(廣岡芳樹教授)らの研究グループは、腸内細菌を指標とした肝細胞がん※1治療時のモニタリングと、免疫療法の一つである免疫チェックポイント阻害剤※2(抗がん剤)における反応性の予測につながる技術を解明しました。この発見は、肝細胞がん治療の改善率向上ならびにプレシジョン化に向けた新たな道を開く可能性があります。
本研究成果は2024年9月6日、微生物学分野の国際科学ジャーナル「Journal of Medical Microbiology」 (オンライン版)に公開されました 。
論文URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39240069/
<研究成果のポイント>
免疫療法の一つである免疫チェックポイント阻害剤(抗がん剤)アテゾリズマブ/ベバシズマブの併用で治療を受けた肝細胞がん患者の群と、健康な対照者の群を比較したところ、肝細胞がん患者の腸内細菌叢※3では、乳酸菌の一種Lactobacillus fermentumや虫歯菌と同じ仲間のStreptococcus anginosusが増加していることが確認された
免疫療法の反応性に関しては、腸内で多く存在するBacteroides属細菌の種類が関与しており、非反応群ではBacteroides stercoris、反応群ではBacteroides coprocoraの増加がそれぞれ観察された
qPCR解析により、肝細胞がん患者ではStreptococcus anginosusのレベルが高く、5α-還元酵素※4遺伝子のレベルが低下していることが明らかになった
腸内細菌叢解析とqPCRによる遺伝子定量が、肝細胞がんのモニタリングおよび免疫療法反応予測に有望なツールであることが示唆された
将来的には、プレバイオティクス※5を用いた新たな肝細胞がん治療法の確立につながる可能性が期待される
<背 景>
世界的に患者数が増加している肝細胞がんは、致死率の高いがんの一つです。進行が速く、早期の発見や適切な治療が難しいため、予後は依然として不良です。免疫療法は肝細胞がんの治療において重要な役割を果たしており、アテゾリズマブとベバシズマブ(Atz/Bev)の併用療法は有望な治療選択肢として注目されています。しかし、治療効果には個人差があり、どの患者が免疫療法に良好に反応するのかを事前に予測することが難しいという課題があります。近年の研究では、腸内細菌叢が宿主の免疫応答やがんの進行に深く関与していることが明らかになり、特定の腸内細菌ががん患者の治療効果に影響を与える可能性が示唆されています。
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