【長浜バイオ大学】滋賀県東部の河川で放流された可能性の高いオオサンショウウオ交雑個体(特定外来生物)を確認
Digital PR Platform / 2024年10月10日 14時5分
長浜バイオ大学アニマルバイオサイエンス学科の齊藤修教授が共同研究で研究を進めているオオサンショウウオについて、滋賀県東部の河川で交雑個体が確認されました。
【概要】
●令和6年7月から8月にかけて、滋賀県東部を流れる犬上川でオオサンショウウオを目撃したという情報が、琵琶湖博物館や近隣の市役所・役場に複数寄せられました。
●これを受け、8月に琵琶湖博物館学芸員、滋賀のオオサンショウウオを守る会会員、長浜バイオ大学の研究者が調査を実施し、DNA分析を行なった結果、特定外来生物に指定されているオオサンショウウオとチュウゴクオオサンショウウオとの交雑個体であることがわかりました。
●過去の文献や聞き取りでは、犬上川にオオサンショウウオが生息していたという情報はないため、この個体は人為的に他の場所から持ち込まれ、放流された可能性が高いと考えられます。
●外国産のオオサンショウウオ属およびその交雑個体は、令和6年7月1日から特定外来生物に指定されています。特定外来生物の生きた個体は、飼育や移動、野外へ放出などが禁止されており、違反した場合は罰則が課されるため、十分に注意してください。
【詳細】
令和6年7月10日、滋賀県東部を流れる犬上川で釣りをしていた方から、「川でオオサンショウウオを見かけた」という情報が琵琶湖博物館に寄せられました。その後も当館や近隣の自治体に、オオサンショウウオ類の目撃情報が複数届きました。
そこで、8月3日に琵琶湖博物館の学芸員が現地で目視調査を行ったところ、川の中にオオサンショウウオ類がいることを確認しました。その見た目の特徴が在来種と外来種の交雑個体に似ていることが分かったため、近畿地方環境事務所と協議の上、8月10日に琵琶湖博物館、滋賀のオオサンショウウオを守る会、長浜バイオ大学といった対応可能な主体が連携して、文化財保護法および外来生物法を遵守したかたちでこのオオサンショウウオ類を捕獲しました。
捕獲した個体は、全長134cm、体重17.16kgと非常に大型のもので、DNA分析の結果、オオサンショウウオとチュウゴクオオサンショウウオとの交雑個体同士がさらに交雑した個体(F2)であることが確認されました。
これまでの聞き取りや文献によると、滋賀県東部ではオオサンショウウオの確認・目撃例があるものの、犬上川での確認例は一度もありませんでした。このことから、今回発見された個体は人為的に他の場所から持ち込まれ、放流された可能性が高いと考えられます。
このような採集事例は全国的にもまだ数少ないため、捕獲した個体は今後の研究に役立てるべく、琵琶湖博物館の標本として保管する予定です。
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