制酸剤の漫然とした服用はタンパク質不足の原因になる可能性がある
Digital PR Platform / 2024年11月8日 10時47分
<今後の展開>
栄養不良の高齢患者では制酸剤の影響を考慮する必要があるかもしれません。特にタンパク質の摂取量が少ない場合、制酸剤によってタンパク質の吸収がさらに低下するのみならず、血中プレアルブミン濃度に代表されるようにタンパク質合成も低下し、最終的にサルコペニアのような病態を引き起こすことが懸念されます。こういう方には、白身魚やヨーグルト、豆腐など消化の良いタンパク質の方が良いかもしれません。今後、制酸剤を長期間経口摂取している患者で、蛋白質摂取量とサルコペニアの頻度との関連を引き続き調査したいと思います。
<用語解説>
プレアルブミン:アルブミン、グロブリンより半減期が短いため超早期の栄養状態の変化を知るのに有用であり、栄養状態のマーカーとして用いられる。プレアルブミンは半減期が約48時間と特に短く、変動幅も大きいことから術前・術後などの栄養状態の把握や、肝臓のタンパク質合成能の把握に有用である。また、炎症性疾患では、CRPなどのような急性相反応物質は高値となるが、逆にプレアルブミンは低値になることが多い。
アルブミン:肝臓で合成され、血清総タンパクの60~70%を占める。膠質浸透圧の維持にかかわるため,アルブミンの低下では膠質浸透圧の低下により浮腫をきたすことが多い。また、栄養不良や肝障害により合成が低下する。腎疾患・胃腸疾患・滲出性疾患・体腔液の喪失なども反映する。
ビタミンB12:魚介類に含まれるビタミンのため、ビーガンの方では欠乏しやすい。特にDNA合成と調整に加え脂肪酸の合成とエネルギー産生に関与している。欠乏すると、貧血や神経障害を引き起こす。
<文献情報>
●論文タイトル
Oral Antacid Use Is Negatively Associated with Serum Prealbumin Levels in Japanese Individuals Undergoing Health Checkups
●著者
後田ちひろ1, 出口香菜子1, 山本(和田)梨紗子1, 田中紘子 2, 小野智咲女3, 吉田光由 2, 皿井正義4, 宮原良二 4, 佐々木ひと美4,飯塚勝美1,5(責任著者)
●所属
1 藤田医科大学 医学部 臨床栄養学講座
2藤田医科大学病院 歯科・口腔外科
3藤田医科大学 羽田クリニック
4藤田医科大学病院 国際医療センター
5藤田医科大学 食養部
●DOI
https://doi.org/10.3390/nu16213715
本件に関するお問合わせ先
学校法人 藤田学園 広報部 TEL:0562-93-2868 e-mail:koho-pr@fujita-hu.ac.jp
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