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パラプロバイオティクス(殺菌乳酸菌EC-12)の摂取により、緊張に伴う消化器症状の不調を予防

Digital PR Platform / 2024年11月18日 14時0分

研究成果:
本研究では、緊張するとおなかが痛くなるという自覚症状を持つ学生27名を対象に、プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験を行いました。被験者には、大学の前期試験の1週間前から試験当日まで被験食品(EC-12 1.0×1012個 配合顆粒サプリメント)1gもしくは当量のプラセボ顆粒サプリメントを摂取してもらい、食品摂取前と摂取後に、消化器/精神症状の主観的評価、糞便・唾液の採取を実施させました。
EC-12を摂取した被験者14名のうち、消化器症状(腹痛および腹鳴)が改善した被験者は全体の93%にのぼりました。プラセボを摂取した被験者13名と比較して、EC-12を摂取した被験者の消化器症状の改善率は有意に高く、消化器症状の改善はEC-12の効果であると考えられました。そこで、そのメカニズムを検証するために、糞便を用いた腸内細菌叢の構造解析と機能解析、網羅的な成分分析であるメタボローム解析をそれぞれ行いました。腸内細菌叢の構成や多様性に大きな変化はなく、EC-12を摂取した被験者でその主成分であるEnterococcus faecalisの相対存在量が有意に増加したのみでした。
一方で、糞便のメタボローム解析の結果、EC-12を摂取した被験者では、プラセボ食品を摂取した被験者と比較して、胃腸運動や粘液分泌を促進するトリプタミンが有意に増加していました。トリプタミンは腸内細菌によって生成されるトリプトファン代謝物で、大腸細胞の5-HT4受容体と相互作用して胃腸運動や粘液分泌を促進します。また、本試験において糞便中のトリプタミン濃度は消化器症状との関連が認められました。糞便中トリプタミン濃度が増加した被験者は27名中16名で、そのうち腹鳴が改善した被験者は94%、腹痛が改善した被験者は75%、下痢が改善した被験者は56%でした。このことから、EC-12の摂取により改善した消化器症状は、トリプタミンの増加と関連があると示唆されました。
EC-12の摂取は精神症状や唾液中コルチゾール濃度に影響を及ぼしませんでした。この点について、本研究のように学生が経験する定期試験のようなストレスは精神的健康に大きな影響を与えて重篤な精神症状の悪化を引き起こすことはないが、代わりに主に胃腸の不快感として現れたためであると考えられました。

今後の展開:
本研究では、パラプロバイオティクスの摂取が腸内細菌の代謝経路を変化させることで宿主の消化管運動を調節し、腹部不快感を軽減することが明らかになりました。パラプロバイオティクスは温度管理が不要で賞味期限も長いので、産業面のみならず、消費者が気軽に持ち歩くことができて生活に取り入れやすいという利点がある食品です。パラプロバイオティクス食品の普及が拡大することで、緊張や不安によっておなかの調子が悪くなる人々の生活の質を改善し、Well-beingを向上させることが期待されます。

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