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安部公房×石井岳龍監督「箱男」ベルリン国際映画祭版ポスター公開! 渋川清彦、中村優子、川瀬陽太も出演

映画.com / 2024年2月9日 12時0分

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「箱男」ベルリン国際映画祭版ポスター (C)2024 The Box Man Film Partners

 安部公房氏の小説を石井岳龍監督の手によって映像化した映画「箱男」のベルリン国際映画祭版ポスターが、このほど公開された。あわせて、追加キャストも発表され、渋川清彦、中村優子、川瀬陽太が出演していることがわかった。

 日本を代表する文学者であり「壁」「砂の女」などでも知られる安部公房氏。原作「箱男」は、安部氏が1973年に発表した小説であり、代表作のひとつ。「人間が自己の存在証明を放棄した先にあるものとは何か?」をテーマとし、その幻惑的な手法と難解な内容のため、映像化が困難と言われており、ヨーロッパやハリウッドの著名な映画監督が原作権の取得を試みたが、許諾が下りず、企画が立ち上がっては消えるなどを繰り返していた。

 最終的に安部氏から直接映画化を託されたのは、「狂い咲きサンダーロード」「蜜のあわれ」「パンク侍、斬られて候」を手掛けてきた鬼才・石井監督だった。安部氏からの「娯楽にしてくれ」というリクエストのもと、97年に製作が決定。石井監督は万全の準備を期し、ドイツ・ハンブルグで撮影を行うべく現地へ。ところが不運にもクランクイン前日に、撮影が突如頓挫、撮影クルーやキャストは失意のまま帰国することとなり、幻の企画となっていた。

 それから27年。奇しくも“安部公房生誕100年”にあたる2024年、映画化を諦めなかった石井監督はついに「箱男」を実現。主演には27年前と同じ永瀬正敏を配し、同じく永瀬と共に出演予定だった佐藤浩市が参加。さらに、世界的に活躍する浅野忠信、数百人のオーディションで抜擢された白本彩奈ら実力派俳優が揃った。

 本作は、第74回ベルリン国際映画祭のBerlinale Special(ベルリナーレ・スペシャル)部門に正式招待されることが決定。今回のポスターは、同映画祭でも掲出される。

 追加キャストの役どころは、主人公“わたし”(永瀬)らを取り巻く個性派キャラクター。箱男を付け狙うワッペン乞食役を渋川、“わたし”の取り調べを行う刑事役を中村、その上司の刑事役を川瀬が演じる。

 「箱男」は、2024年全国公開。第74回ベルリン国際映画祭でのワールドプレミアは、2月18日早朝(日本時間)に、会場となるツォー・パラストで実施。石井監督のほか、永瀬、浅野、佐藤が現地入りを果たす。

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