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【日本公開10周年】「アナと雪の女王」が変えた“10のこと” 第3弾は2026年公開か

映画.com / 2024年3月14日 7時0分

 もしかすると、エルサはヴィランなのかも? そんな不安さえ感じさせる展開から、次第にエルサの「とまどい 傷つき」の葛藤が浮き彫りになることで、観客は「主人公は、完ぺきである必要はない」と気付き、自分の運命を切り開く姿に共感する。これもまた、エルサの特異性であり、魅力といえる。その人気はすさまじく、米タイム誌は、14年に最も影響力があった「架空のキャラクター」の第1位に、エルサを選出している。

●4.“アナ雪現象”を巻き起こした主題歌と日本語歌詞

 ロバート・ロペスとクリステン・アンダーソン=ロペス夫妻による主題歌「Let It Go」は、エルサの存在をより特別なものにし、映画の大ヒットにも大きく貢献。アカデミー主題歌賞を受賞した。

 そして、日本では「レット・イット・ゴー ありのままで」のタイトルとなり、エルサの葛藤と、それを乗り越えた先にある意思を「ありのままで」と表現した歌詞が注目を浴びた。この詩的かつ的確な訳詞は、翻訳家・高橋知伽江氏によるもの。オリジナル歌詞の要素をとらえ、イメージを増幅させた名訳は、日本における“アナ雪現象”の起爆剤となり、改めて日本語詞の重要性がクローズアップされることに。14年新語・流行語大賞では、同曲から「ありのままで」「レリゴー」が候補の50語入りし、「ありのままで」が見事トップ10に選ばれた。

●5.物語の後半まで隠されたヴィランの存在

 ディズニーアニメでは、物語が訴える正義や愛を際立たせるため、ときには主役以上の魅力を放つヴィラン(悪役)が登場する。多くの場合、映画が始まると、すぐに外見や言動から、彼・彼女らがヴィランだと判明するのに対し、「アナと雪の女王」のヴィランであるハンス王子は、礼儀正しく誠実そうな印象。出会ってすぐにアナと意気投合すると、結婚の約束も果たし、アナが危険な旅に出ている間は、アレンデール王国を守るという大役も担った。

 しかし、ハンス王子の目的は、アナとの政略結婚で、アレンデールの王位を継承することだった。エルサの氷が直撃し、衰弱するアナを助けようともせず、またアナが命を落とせば、エルサを反逆罪で死刑にできるとまで考える極悪非道ぶり。本作が画期的だったのは、その正体が物語の後半まで隠されていた点だ。公開当時、アナとハンス王子の“運命のキス”を期待していた観客は、大いに裏切られる結果となった。

●6.恐怖を打ち負かす“真実の愛”パワー

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