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「マリオ」のメガヒットで注目のイルミネーション 最新作「FLY! フライ!」はどのくらいまで“高く飛べる”?【コラム/細野真宏の試写室日記】

映画.com / 2024年3月16日 9時0分

 日本のコンテンツの海外映画化は、たいていは上手くいかないといったイメージがありますが、このニュースに触れた時に、私は妙に落ち着いていました。

 それは「不安より期待の方が大きかったから」です。

 そのくらい「イルミネーション」というスタジオにはポテンシャルを感じていたのです。

 そして「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」として2023年4月に公開されましたが、厳しめの批評で有名な「Rotten Tomatoes」における批評家の評価は59%と低めになっています。(2024年3月14日時点)

 これについては理解できなくもなく、「映画」としてだけ厳しめに見れば、「深みがない」などの批判要素が出てきます。

 とは言え、イルミネーション作品とは、そもそも「エンターテインメントの塊」のようなイメージなので、私は試写時点で「これは日本では興行収入100億円を超えるメガヒットになるだろう」と想定していました。

 そして、公開されると世界中で大ヒットし、日本では興行収入100億円を優に超えて、興行収入140.2億円にまで達したのです!

 このように、とても高い安定感を見せている「イルミネーション」が、実に7年ぶりに新規のキャラクターによるオリジナル作品を劇場公開することになりました。

 その作品こそが本作「FLY! フライ!」で、まさに2016年の「SING シング」から7年が経っているのです。

 実は、イルミネーション作品における原題は、日本の配給会社の東宝東和によって上手く表現し直されていることが多くあります。

 例えば第1作目の原題は「Despicable Me」となっていて、直訳すると「ひきょうな私」といった感じで分かりにくい作品名になります。

 そこで日本では「怪盗グルーの月泥棒」という感じで、伝わりやすく、キャッチーにしているのです。

 「FLY! フライ!」の原題は「Migration」(マイグレーション)で、一般には生物の「移動」を意味します。

 本作では鳥がメインキャラクターなので「渡り」といった感じで、これについては決して分かりにくくはないです。

 ただ、決してキャッチーではないため、日本では「FLY! フライ!」というように変えることで、より意味が伝わりやすくなる工夫をしています。

 本作の私のイメージは、イルミネーション版の「ファインディング・ニモ」といった感じです。

 「怖がりな現状維持派の父親に対して、子供は自由に動きまわれる世界に憧れる」といった構造が同じです。

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