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「マリオ」のメガヒットで注目のイルミネーション 最新作「FLY! フライ!」はどのくらいまで“高く飛べる”?【コラム/細野真宏の試写室日記】

映画.com / 2024年3月16日 9時0分

 もちろん、本作は「子供を見つけに旅をする作品」ではありませんが(笑)。

 ただ、「ファインディング・ニモ」では「海を大移動する物語」であり、「FLY! フライ!」は「空を大移動する物語」です。

 では、「FLY! フライ!」は、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのある「イルミネーション作品」なので、「ファインディング・ニモ」級にヒットするのかというと、そうとはならない気がします。

 まず、「ファインディング・ニモ」は、私の中では「名作中の名作」で、なかなかここまでのクオリティーには達し得ない領域という位置づけです。

 2003年に公開された「ファインディング・ニモ」は、日本での興行収入は110億円で、これは未だに「ピクサー作品の歴代興行収入ランキング1位」を保持しています。

 冒険物語に加えて、離れ離れにある親子を2つの視点で非常に魅力的に仕上げ、第76回アカデミー賞では、アニメーション作品でありながら「脚本賞」にもノミネートされているほどです。

 それでは、「FLY! フライ!」は、どのくらいまで高く飛べるのでしょうか?

 これはあくまで個人的な印象ですが、なぜだか「FLY! フライ!」の認知度は、そこまで高まっていないような気がしています。

 「ファインディング・ニモ」は、主人公が「カクレクマノミの親子」で映像的にキャッチーで、「FLY! フライ!」の主人公は「カモの家族」でそこまでキャッチーではないからか?なぜか見る前のワクワク感が薄いような印象があるのです…。

 とは言え、実際に作品を見てみれば、やはりイルミネーション作品。まさに「エンターテインメントの塊」に徹しています。

 つまり、本作の成功への大きなカギは「口コミ」にありそうだと思います。

 加えて、本作と同時上映される短編映画「ミニオンの月世界」は、イルミネーション初の映画「怪盗グルーの月泥棒」の“その後”を描いているのです!

 そして、「FLY! フライ!」の日本語吹替版は、堺雅人らが声優泣かせの上手さを見せ、私は字幕版と吹替版であれば「吹替版」を推します。

 イルミネーションは、制作費のコントロールの上手さに定評があるスタジオです。

 シリーズ化で徐々に膨らみかけていた制作費を、本作では初期の頃のようにコントロールしているので、本作の日本における成否ラインは興行収入10億円だと想定します。

 目標は、第1作目の興行収入12億円の突破くらいに思えますが、果たしてどこまで高く飛び立てるのでしょうか?

 上手く軌道に乗ることで「FLY! フライ!」シリーズといった形で「新たなイルミネーション作品群」となれるのかどうか、大いに注目したいと思います。

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