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「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」富野由悠季監督&出渕裕が濃密トーク! 日本の漫画界、宮﨑駿監督のオスカー受賞にも言及

映画.com / 2024年3月17日 21時33分

 そして、「そういう意味でアニメでは、今回我々はとてもいい人を目標とすることができた。宮﨑駿の『君たちはどう生きるか』、ああいうとんでもない作品がアカデミー賞を獲れたこと。なぜとんでもないかっていうと、ハッピーエンドでないアニメをついに作ってしまってそれがアメリカの映画界で、アニメーション界ではなく映画界で、こんな面倒くさいアニメーションが受賞できてしまったことは、『ONE PIECE』をひょっとしたら超えるかもしれない」と持論を述べた。

 その論に対し出渕氏が、「時代が寄り添っているということもあるかも」と意見を述べると、「もちろん。それはどういうことかというと、映像が好きで、アニメや漫画の仕事をやりたいとと思っている若者、舐めてもらっちゃ困るよ、本当に命かけないと宮﨑を超えられなくなるんだよ。『ONE PIECE』も超えられなくなるんだよ。そして『Dr.スランプ』を超えなくちゃいけないってのはどういうことなのかってことを本当に考えなくちゃいけない」と、日本を代表するクリエイターたちの偉業と努力を強調した。

 そして、「手塚治虫といえども、『虫プロ』を作ったんだったら、社長(業)をやらなければいけないって言い続けたんだけれど、虫プロに4年いてこの人は漫画しかできない人なんだっていうのもわかった」と再び手塚治虫氏への複雑な思いを吐露すると、出渕氏が「最近の富野さんのインタビューを読むと、手塚さんに対する愛情みたいなのがわかる。富野さんのラフ画を見ると、ああ、富野さんってやっぱり手塚さんが好きなんだなって思う。富野ラフって、基本的にリアルじゃないんです、特にモビルスーツなんか。そこで、これは手塚さんなんだってわかった。手塚さんの漫画の、良く言うところのダイナミズムじゃないですか?」と問いかける。富野監督は「そうか? 俺、手塚カラーには絶対染まってないと思うけど」と反論するも、「自分で気が付いてないだけですって(笑)」と出渕氏に押し切られていた。

 トーク予定時間のなかばとなり、ようやく本題の「逆襲のシャア」の話題に。

 出渕氏は「逆襲のシャア」を見返し、新たな発見をしたそうで、「(『機動戦士Zガンダム』の)クワトロ・バジーナ(実体はシャア・アズナブル)がいたじゃないですか。あれは富野さんにとっては、失敗作なんですよ。失敗っていうか、これはアムロたちと一緒にしといた方が膨らむかもしれないと、クワトロをいい人にしちゃった。これ言うと皆さん反発する方もいるかもしれませんが、シャアってサイコパスみたいなんですよ(笑)」「独善的で自分がやろうとしていることに対して、手段を選ばず、共感力がなくて、人に嘘をつく。交渉の時も、女性に対しても部下に対しても嘘ついてるんです。シャアの言ってることで本当のことなんて一つもない。だから、もしかしたら最後にアムロと対峙してる時も、嘘ついてるのかな、と思うぐらい」と激しい持論を展開する。

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