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片渕須直監督が新作「つるばみ色のなぎ子たち」進捗報告 膨大なリサーチに「映画がいつできるかドキドキ」、つるばみ色は「喪服の色」

映画.com / 2024年3月19日 14時0分

 そして、話題は清少納言や当時の内裏に仕えた人々の“働きぶり”に。当時の勤怠記録が残っているそうで、そこから女房達の勤務日数や出勤率も割り出し、「清少納言も公務員で、勤怠を記録される立場だった。このようにひとつずつ、こういう時にはどうだったか……を考えながらやっています」と、「枕草子」が書かれた時に、清少納言に何が起きていたのかにも迫る。

 「枕草子はツイッターのようなものではなく、何年か前のことをまとめて書いていた。つれづれなるまま、というのは退屈なときを意味します。清少納言には長期里居という宮中から出ていた時があり、実際に勤めを辞めたと『枕草子』に書いてある。どうやらブラック企業のような様子もあったよう。そして、その理由は清少納言が中宮定子にスパイ扱いされて、嫌になって辞めたと。それが996年の2月の梅が咲いている時期。それは、どんな論文にも書かれていない」と、「枕草子」をじっくり読み解くことでの発見を明かす。

 このようにあらゆる方面から、丁寧に調べることで、一般的に抱かれていた清少納言像とは全く異なる事実が次々に明らかになることに、驚きを隠せない様子の片渕監督。「頭で考えて書く脚本よりずっと面白い世界がそこにありました。『枕草子』を映像にしていったら、めちゃくちゃドラマチック。清少納言は映画的な書き方をしていることもあり、驚かされることも。新しい清少納言像を、実際書かれたものから拾い集めながら映画作りをしています」と、進行中の脚本を掲げながら報告。

 最後に、タイトルの「つるばみ色」について、SNSでファンたちによる「つるばみには様々な色がある」という書き込みを目にしたエピソードにも触れ、「平安時代中期に限ると、それほど色の種類がない。当時のつるばみは喪服の色。色とりどりの十二単を着ていた人が、グレーの服装をする。そういう人たちが出てくる物語です」と解説した。

 第2回新潟国際アニメーション映画祭は3月20日まで開催、チケットは絶賛発売中。公式HP(https://niaff.net)でのクレジットカード決済、または上映会場にて現金でも購入可能(※一部例外もあり)。チケット販売、プログラム、会場など詳細は公式HP、SNSで随時告知する。

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