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福山雅治主演「沈黙のパレード」今夜放送! あらすじ・キャストまとめ ガリレオVS東野圭吾の特別対談も紹介

映画.com / 2024年3月30日 20時30分

――東野さんは、福山さんが演じる湯川学の魅力はどんなところにあると思われますか。

 東野:ユーモアだと思います。例えば今回の映画で非常に好きな台詞がありまして。風船を使ったトリックについて考えているシーンで、薫と草薙が湯川に対して「リアリティがない」と言ったら、「そうか? カラフルな風船に埋もれて死ぬなんてシュールでなかなか楽しいトリックだと思うが」と湯川は真面目な顔をして答える。

 ユーモアというのは、実は柔軟さなんですね。そして柔軟さというのは善悪を決めつけない、嘘と本当も分けられるものではなく行ったり来たりするものだという考え方に繋がっていく。そういう部分が、福山さんが演じてくれたおかげで確立したというのはありますね。

 福山:東野さんが書かれるものの根底にはユーモアが常にあると感じています。例えば、小説「沈黙のパレード」の中に、湯川がバーでアードベッグのソーダ割りを注文する場面があります。

 あれは以前、食事をさせていただいた時に、「僕、これがすごく好きなんです」と東野さんにお勧めしたウィスキーで。こうしたことがまさに東野さんならではのユーモアだな、と。それを僕らが映像化することで増幅できていたら幸いなのですが。

■「小説に書いたのに映画になくて残念だった」(東野)、「我々の完全な“しくじり”です」(福山)

 東野:そう言えば今回、小説に書いたのに映画になくて残念だったのが、湯川が薫に「若き美人刑事が…」と言ったのに対し、薫が「もうあまり若くありません」と返す。それに対して湯川が「美人のほうは否定しないんだな」と。あれはまさに福山さんと柴咲さんによる掛け合いを見たいと思って書いたもので。

 福山:それは映像化する際の我々の完全な“しくじり”です(笑)。

 東野:柴咲さんが果たしてどんな顔をするのか、観てみたかった(笑)。

 福山:(笑)。でも、共犯関係というとおこがましいかもしれないですけど、脚本の福田さんも、西谷監督もシリーズの根底にあるユーモアを、一つひとつをつぶさに演出し、積み重ねていっています。今回の映画で言えば、湯川が薫と草薙と一緒に殺害現場を訪れ、一応「中に入ってもいいか?」と常識人的なふるまいをするんだけれど、一度許可を得たら自由になり、薫や草薙が話しかけているにもかかわらずバンッと扉を閉めたりする(笑)。

 ああいうユーモアのある描写は僕がアドリブでやっているわけではなく、西谷監督の演出です。湯川が相手を無視して扉をバンッと閉めるというのは、ドラマの第1シーズンの2話でもあったんですが、そういうことも含めて西谷監督の中に全部設計図がある。そんな細かい言動の積み重ねで、“天才で変人”という湯川の人物造形がなされているんです。

 東野:確かに「ガリレオ」のドラマも映画も、そういうところまでちゃんと描いてくれていると思います。それが福田さんなのか西谷監督なのかはわからないけれど、これは面白いと思ってちゃんと拾ってくれる。そうした価値観やユーモアのセンスが一致しているのは、僕からしても嬉しいことです。

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