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何者かに監視される中での不倫 オランダの鬼才最新作「No.10」正体不明の監視者たちが発する“監視光線ビジュアル”

映画.com / 2024年4月3日 20時0分

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目から光線! (C)2021 GRANIET FILM CZAR FILM BNNVARA

 「ボーグマン」(13)など、静かに狂った唯一無二の作品を発表しているオランダの鬼才アレックス・ファン・バーメルダム監督最新作「No.10」(読み:ナンバーテン)正体不明の監視者たちをメインにした“監視光線ビジュアル”が披露された。

 カンヌ映画祭パルム・ドールにノミネート、第46回シッチェス・カタロニア国際映画祭でグランプリを受賞した「ボーグマン」で世界中を大混乱に陥れたオランダの鬼才の通算10作目の最新作。不倫と復讐をテーマに、自分は何者なのか――自身が舞台役者出身のバーメルダムが、冷酷なまでの正確さで、主人公である役者ギュンターの人生を監視する戦慄と衝撃、緊張が渦巻くサスペンスに満ちた物語が展開する。

 幼少期に記憶を失い、森に捨てられ、里親に育てられたギュンター。大人になった彼は舞台役者として生計を立て、共演者と不倫、一人娘は肺がひとつしかない突然変異だった。役者仲間の裏切りによって残酷な仕打ちを受けるギュンターは復讐を誓った。だがその先に、とてつもない驚愕の事実との対峙が待っている。

 バーメルダムは「脚本を書き始めるときは、これまでに行ったことのない領域にたどり着くべくシーンを次々と構築して配置する。「No.10」は終わりまでに、トーン、人員、ビジュアル、すべての点で、オープニングシーンから何光年も離れた場所にいる」。音楽もバーメルダムによるもので、土星人サン・ラーも羨むであろう宇宙ジャズともいうべき旋律が、何光年も離れた場所から奏でられる。

 しかし、「何も知らないことが重要だ」「何の映画を観ているか何も知らないときは、何を期待すべきか全く分からなかったが、その後、自分自身がそれに完全に魅了されていることに気づいた」とも語っているバーメルダム監督。公開間近の現状でも、<目を光らせる何者かに監視されるなかの不倫>という以外、映画の全体像は全く不明だ。

 このほど公開された監視光線ビジュアルには「それは目を光らせている」、「あなたは監視されている」、「24時間体制で」との文言が書かれており、知らないあいだに監視されているかもしれないことを人々に知らせる警告の意味も含むものとなっている。

 4月12日から新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田、アップリンク京都ほか全国順次公開。

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