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濃いカリスマ、北村一輝が初のミュージカルとなる名作「王様と私」で「人生を変える」挑戦!【若林ゆり 舞台.com】

映画.com / 2024年4月8日 10時0分

 「アンナが来てお互いにぶつかりますが、その裏側に愛情があるというのは、立場やキャラクターが似ていると気づいてお互いを理解するようになるからですよね。彼女は異国の地で、息子を守らなきゃいけない。母親としてすごく強い愛情があるし、家を得るために闘い続けるのは頑固というより愛だと思います。愛ゆえに頑固にならざるを得ない、それをお互いに気づいて、双方を理解していく。アンナの人間的な大きな愛情とやさしさが、時に王を素直にさせて、アンナとの距離を急接近させるのではないか。その過程もわかりやすく出していきたいと思っています」

 今回は演出家・小林香が翻訳・訳詞を書き直し、演出をリニューアルすることも、北村のモチベーションに火をつけた。本作は70年以上前につくられただけに、古く見えかねない部分があったが、「新しい時代のフィルターを通して」(小林)刷新するという。

 「王は、国を取り巻く環境や価値観がものすごいスピードで激変する時代にあって『どう変わっていくべきなのか、変わらずにいるべきなのか』と悩むわけですよね。この状況は、いまの日本ともすごく似ていると思います。いまはコンプライアンスが問題になって、いままでは当たり前だった価値観が『ノー』と言われる時代。何がよくて何が断罪されるんだかわからなくて混乱するし、王の悩みに共感できる点がたくさんあると思う。だからこそ、いま上演する意味がすごく大きいと思います」

 「作品づくりにおいても、何でも新しくするのが一概にいいとは言えませんが、やはりいまだからこそできる、いますべき表現というのがあると思うんです。たとえば僕はミュージカルで歌を聞いていると、よくわからないところが出てくることがあります。聞いていて区切り目がおかしかったり、普段使わないような言葉を歌っていたりするのを聞いて『んん?』ということがよくある。それはやはり苦手だなと。もちろん英語で作っているから日本語に当てるのが難しいのもわかりますが、和訳するときは上面を訳すのではなく、その歌詞が何を言いたいのかという部分が大事ですよね。それは小林さんとお話した中でも共通認識だったので、小林さんの感覚で違和感がないように作っていただいて、その言葉で自分がミュージカルの力を示したいと思っています」

 こだわっているのは、「感情をいかに伝えるか」ということ。ミュージカルに偏見をもっている人たちの考えを変えたい、と意気込む。

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