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すべてのおかしいは幸せに通ず ナンニ・モレッティ監督最新作「チネチッタで会いましょう」11月22日公開

映画.com / 2024年4月25日 11時0分

写真

(C) 2023 Sacher Film-Fandango-Le Pacte-France 3Cinema

 カンヌ、ベネチア、ベルリンの3大映画祭を制し、カンヌ国際映画祭コンペティション部門に8作品連続選出されているナンニ・モレッティ監督の最新作「Il sol dell’avvenire(原題)」が、「チネチッタで会いましょう」の邦題で、11月22日に公開されることが決定した。あわせて、ティザービジュアルと予告編がお披露目された。

 「映画には、私たちに明るさと幸せになりたいという気持ちを再発見させる魔法の力がある。どんなことがあっても」

 そんなメッセージを寄せているモレッティ監督の新作は、時代の変化についていけずに痛い目にあった映画監督が失意の後に大切なことに気づくヒューマンドラマ。フェリーニやキシェロフスキ、スコセッシなど映画へのオマージュを交えながら、ところどころに自身の過去作品を引用。変化の激しい世界に適応することの難しさをユーモラスに描きながらも、より良い未来を夢見ることを忘れないという温かなメッセージが込められている。先日発表されたダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では、作品賞、監督賞、脚本賞を含む主要7部門でノミネートされている。

 イタリアの映画監督ジャンニは、チネチッタ撮影所での新作撮影を目前に控えている。プロデューサーの妻が40年、いつも傍にいて映画を制作してきた。頭の中は新しい映画のアイデアでいっぱいだ。だが、順調だと思っていたのはジャンニだけだった。女優はカサヴェテスを持ち出し演出に口出し、あろうことか政治映画をラブストーリーだと言い出す始末。若い俳優のトンチンカンな発言にはあきれ言葉を失う。娘が紹介してくれたボーイフレンドは自分ほどの年齢の男性だという。あらゆることに腹がたち戸惑うばかりだ。誰にも理解されず、一人帰宅し目覚めると妻に別れを告げられてしまう。さらに仏のプロデューサーは詐欺師とわかり、資金が枯渇し撮影は止まってしまう。地位も築き尊敬されていたはずなのに。妻も娘も愛しているのに。果たして映画は完成するのか? そして、愛するものたちとの関係を修復することはできるのか?

 モレッティ監督が、製作・脚本・出演も兼ね、共演にはモレッティ作品の常連マルゲリータ・ブイや、俳優であり監督のマチュー・アマルリックなどが脇を固める。

 ティザービジュアルでは、モレッティ監督演じる主人公のジャンニが電動キックボードに乗ったイラストが描かれ、「すべてのおかしいは幸せに通ず」というコピーが添えられている。予告では、5年ぶりの映画撮影が順調にスタートしたかと思われた映画監督のジャンニに、長年連れ添ったプロデューサーの妻から突然別れを告げられ、撮影資金を調達していたフランスのプロデューサーは警察に捕まってしまう様子が切り取られている。

 「チネチッタで会いましょう」は、11月22日からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開。

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