不快でも笑う? 「NO」とは言えない? 最狂作「胸騒ぎ」タフドルップ監督が注目したのは“人間の振る舞い”
映画.com / 2024年5月10日 13時0分
●「NO」と言えない“礼儀正しさ” 目指したのは「共感できるからこそ怖い」
――おっしゃる通り、本作はコメディとしても描けるシチュエーションです。なぜホラーというジャンルで描こうと思ったのでしょうか?
もともとはコメディのシーンを描くのが得意なんです。風刺、あるいはユーモアというものを、自分の作品の中では多用していました。お互いのことをよく知らないカップルが週末を一緒に過ごす。そのような状況の中から、さまざまなユーモアや居心地の悪さ、面白い状況が生まれてくるのではないかと思っていました。
本作では弟と共同脚本を担当しているのですが、彼とブレストしながら「どんなことが起こり得るのか?」ということを念頭に置きながら作っていきました。人間には境界線というものがあるわけですが、それを越えられた時に、礼節を重んじているからこそ、「NO」と言えない。礼儀正しいというのは、非常に人間的なことだと思うんです。胸の中はざわついているけども、表立っては違和感を流してしまう。特にスカンジナビアの方々はそういう傾向にあると思います。
自分のフィーリングを表現するよりも“笑顔で乗り切る”。そういうところをベースにしながらシーンを作っていきました。私はホラーが初めての挑戦になります。シーンは書けますが、ホラーというジャンルの中でどのような表現ができるかを考えていました。
ジャンルとジャンルがぶつかると、何かが生まれると思うんです。本作にはスーパーナチュラルな要素はありません。人間と人間しか出てこない。ですが、ホラーで使用されているやり方とキャラクター像と組み合わせることで“共感できるからこそ怖い”と思える。そんな作品を目指しました。
人が社会的な面も含め、どのように振る舞うのかという点は、もともとテーマとしては興味があったんです。時には笑ってしまうようなこともありますが、そういうことでさえ、とても人間的です。自分は父になり、家族を持ちました。知らない人たちと時間を過ごすという経験を大人になってからしています。実体験から持ち込みながら、映画のディテールを作っていったという感じです。
●さざ波のようなものがたくさん生じている 重視したのはサスペンスの積み上げ
――本作を製作するうえで意識した映画や、参考にした映画はありますか?
これを参考にしようというような形で作品を見ることはありませんでした。ホラーはもともと好きなのですが――欧米においては、皆が好きなんだけれども“罪悪感を持って見ている”という傾向があると思っています。それは欧米のホラーの質があまりよくないからじゃないかなと。“B級への愛”と言いますか……。
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