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“人間”ボブ・マーリーの真実の姿を見せたかった――息子ジギーが気鋭監督&主演俳優と目指したものは?

映画.com / 2024年5月24日 18時0分

 昨日、私の妻がこの映画を観て涙を浮かべながら「人としてのボブ・マーリーが、あの時代にどういう痛みを抱え、何を考えていたのかが伝わった」と言ってくれました。製作中から彼の人間的な部分をどう見せていくかを突き詰めていた私たちにとって、その言葉こそ目指していたものでした。彼も一人の人間であるということが、観てくれた方には伝わるんだなとそれで実感しましたね。

 ――名曲「エクソダス」セッションシーンや流暢なパトワ語などボブが宿ったような名演を披露していましたが、キングズリーさんの中でどのようにボブを探求し、形成していったんでしょうか?

 キングズリー:オファーを受けてすぐ、本作のプロデューサーでもあるボブの娘、セデラ・マーリーからYouTubeにもUPされていないようなボブのインタビューをたくさん受け取りました。それで最初の半年くらいはギターの勉強もしつつ、ひたすらボブの話を聞いていました。来る日も来る日もボブの言葉や話し方に耳を傾け、やがてそれを書き起こして、さらにパトワ語に訳すことも始めたんです。その繰り返しが技術的な主な作業でした。それは撮影中も続けていましたよ。というのも私とボブの声はトーンが違うんです。僕の声は深すぎるから、そのままではうまく表現することは難しい。だからボブの話し方や調子を学ぶことがとても重要だったんです。

 ジギー:父を演じる人をあちこち探した末に、キングズリーをキャスティングしたのには理由があります。感情的なつながりを演技を通じて感じさせてくれること、それがボブ役に最も重要なことでした。単純に見た目が似ているとか、素振りが上手というだけでは、私たちや観客と感情的なつながりを見出すことができません。それができる人物として、キングズリーを選んだんです。

●音楽はパワフルなツール、だからこそ正しく使う

 ――音楽も本作の大きな見どころだと思いますが、楽曲の使い方のこだわりについて教えてもらえますか?

 レイナルド:私が映画を作るうえで意識しているのは「音楽はそのシーンから自然と流れ出るもの」ということ。後からわざとらしく音楽を付け足したように感じるようなものは嫌なんです。本作はミュージカル映画ではないので、音楽が流れるたびに立ち止まる必要もありません。なので音楽はすべてそのシーンから有機的に生まれたもののように設計しています。例えばボブがステージやベッドルームで演奏するときは、その時の生の演奏をその場で聴いているような感覚を目指しました。

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