2024年上期の最推し映画は何? 映画.comスタッフが選んだ“マイベスト”を紹介
映画.com / 2024年7月6日 11時0分
【「ありふれた教室」概要】
ある中学校で発生した小さな事件が予想もつかない方向へと進み、校内の秩序が崩壊していく様を、ひとりの新任教師の目を通して描いたサスペンススリラー。第96回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされた。
仕事熱心で正義感の強い若手教師のカーラは、新たに赴任した中学校で1年生のクラスを受け持ち、同僚や生徒の信頼を得ていく。ある時、校内で盗難事件が相次ぎ、カーラの教え子が犯人として疑われる。校長らの強引な調査に反発したカーラは、独自に犯人捜しを開始。ひそかに職員室の様子を撮影した映像に、ある人物が盗みを働く瞬間が収められていた。しかし、盗難事件をめぐるカーラや学校側の対応は、やがて保護者の批判や生徒の反発、同僚教師との対立といった事態を招いてしまう。後戻りのできないカーラは、次第に孤立無援の窮地に追い込まれていく。
●「あんのこと」(劇場公開日:2024年6月7日)
【選出理由】
いろいろなシステムの合間からすり抜けてしまう、そんなことがあるのかと信じたくない気持ちを抱える。しかしあのあどけない笑顔や屈託のない表情から、「あん」という女性が確かに生きていたということが伝わってきてなんとも胸をかき乱される。河合優実という素晴らしい俳優が「あん」を私たちの胸に刻ませる、忘れたくない映画。(映画.com エビタニ)
【「あんのこと」概要】
「SR サイタマノラッパー」「AI崩壊」の入江悠が監督・脚本を手がけ、ある少女の人生をつづった2020年6月の新聞記事に着想を得て撮りあげた人間ドラマ。河合優実が杏役で主演を務め、杏を救おうとする型破りな刑事・多々羅を佐藤二朗、正義感と友情に揺れるジャーナリスト・桐野を稲垣吾郎が演じた。
売春や麻薬の常習犯である21歳の香川杏は、ホステスの母親と足の悪い祖母と3人で暮らしている。子どもの頃から酔った母親に殴られて育った彼女は、小学4年生から不登校となり、12歳の時に母親の紹介で初めて体を売った。人情味あふれる刑事・多々羅との出会いをきっかけに更生の道を歩み出した杏は、多々羅や彼の友人であるジャーナリスト・桐野の助けを借りながら、新たな仕事や住まいを探し始める。しかし突然のコロナ禍によって3人はすれ違い、それぞれが孤独と不安に直面していく。
●「Ultraman: Rising」(配信開始日:2024年6月14日)
【選出理由】
別の作品をベスト映画に挙げ、選考理由を書き終えていたんですが、その日の夜に本作を観て、急きょ深夜に書き直しています。どれだけ言葉を尽くしてもこの感情のすべてを言い表せそうにない。子育てをしたことがある人は本編尺2時間のうち1時間59分はボロッボロに泣くと思う(自分がそうだった)。つらい、喜び、つらい、学び、つらい、成長、つらい、感動…まったく泣くところじゃないのにダバダバ泣いた。そして「グレンラガン」「スパイダーバース」級にアツい。これが実質無料(Netflix見放題)なのはシンプルにバグってる。「何観よっかな」って1時間ザッピングして結局何も観ない、をやるくらいなら本作を観てほしい。(映画.com 尾崎秋彦)
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