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【「あのコはだぁれ?」インタビュー】清水崇監督が実感する、変化するホラーとの向き合い方 渋谷凪咲の全身全霊の覚悟

映画.com / 2024年7月22日 23時0分

 清水監督「演技力じゃないですか?」

 渋谷「未知数だったじゃないですか(笑)。私の演技力が未知数のなか、NMB48卒業のタイミングで色々と新たな可能性を模索したいと思っているなかで、声をかけてくださったんです。監督と大庭さんからお手紙をいただいたんです。それがすごく嬉しかったんです。監督は『新たな渋谷凪咲を引き出したい』とおっしゃってくださいましたし、この監督と松竹さんに自分の全てを預けて、どうにでもしてもらおう! というような感覚で挑みました」

 清水監督「未知数というところが面白いじゃないですか。見慣れた俳優さんで『上手なのはわかってるよ』という方よりも、未知数な人材の方が楽しめると思うんです。ホラーが好きな人も、苦手な人も、渋谷さんにホラーのイメージがないから『ちょっと観たいかも』と思ってくれるかもしれない」

■「27年間生きてきたなかで、一度も出したことのない声」(渋谷凪咲)

 怖がりだという渋谷だが、今作の撮影で取り組んだ「自分の知らない自分探し」で、何かしらの気づきを得たのかも気になるところだ。

 渋谷「人生の極限みたいな状況に出合うというか……。あるシーンのリハーサルでは『声を出さないように、本番まで取っておきましょう』と監督がおっしゃってくださったので、本番にならないと自分がどう声を出すのかも分からない状況を目の当たりにしたとき、『わたしってこうなるんや』って。27年間生きてきたなかで、一度も出したことのない声、表情、仕草を目の当たりにして、殻が破けた瞬間だったのかな……と感じました。

 ファンの方々からは『ちょっとおしとやかで、ほんわかした優しいイメージ』と言っていただくことが多かったので、“そうあらねば”と思ってアイドルとして11年間ずっとやってきました。でも、それを全て忘れた瞬間というのは、芸能生活で初めての体験だったように思います」

 渋谷が話す「あるシーン」について、清水監督が過不足なくフォローを入れる。

 清水監督「実は比較的前半のシーンで、わけの分からないまま矢継ぎ早にあり得ないことが起こるのですが、誰が主演してくれるのかも分からないまま脚本を書いていたので、リアクションのセリフが書けないんです。『キャー』でもないし、『……』としか書けないから、現場で一緒に臨むしかないなと感じました。それで渋谷さんに決まって、段取りからリハーサルと進めても、ぐうの音も出ませんでした。彼女はただじっとそこで固まって、震えるしかなかった。確かにこれがリアルかもしれない、というものを見せてもらったので、こちらもそれを受け止めて『だったらこれはどうだろう?』というプランが現場で出てきました。比較的序盤で、リアリティあるリアクションが想定できない描写が次々と起こりまくる脚本を書いちゃったので(笑)」

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