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【「あのコはだぁれ?」インタビュー】清水崇監督が実感する、変化するホラーとの向き合い方 渋谷凪咲の全身全霊の覚悟

映画.com / 2024年7月22日 23時0分

 渋谷「あのシーンは一番楽しかったというか、自分でも興奮しました。どうしたらええねん、もうやってみるしかない! って感じで。あのシーンは1日かけて撮ったんですが、終わったあとに放心状態というか抜け殻みたいになれたんです。それがすごく気持ちよくて、不思議な感覚でした」

 清水監督「その直後のシーンは、別日…しかも先(何十日も前)に別の場所で撮っているんです。感情的に繋げられるか心配ではあったんですが、僕が思ってもいなかったリアクションに出てくれて、たいしたもんだなあと思いました」

 渋谷「現場のスタッフさんも含めて、皆さんのおかげで撮れたシーンでした。テストでやってみたら監督から『その何十倍もやってくれないと伝わらない! もっともっと!』って演出していただいて。清水組にホラー担当の川松尚良さんという方がいらして、本番前に赤ちゃんの泣き声を聞かせてもらったり、怖いおばあちゃんの映像を見せてもらって、想像力を高めてからシーンに臨めました」

 清水監督「川松くんは声も出していましたよね? 僕はおかしくて、ずっと笑いをこらえていました。渋谷さん、よく芝居ができるなあと思って(笑)」

 渋谷「いえいえ、本当にすごく真剣な表情で赤ちゃんの泣き声とかを聞かせてくれましたから(笑)」

■「ホラーは偏見や差別をもって見られるジャンルじゃないといけない」(清水崇監督)

 ネタバレ防止も兼ねて、具体的なシーンの説明をせずに文字化することに腐心しているわけだが、「ミンナのウタ」から続くリフレインがもたらす効果が、前触れもなく観る者の心の琴線を刺激してくる……という点のみ言及しておく。

 清水監督は近年、村シリーズ(「犬鳴村」「樹海村」「牛首村」)や「忌怪島 きかいじま」など、精力的に新作ホラーを発表し続けてきた。ホラー作品を作るうえで譲れないことは、どのようなことなのだろうか。

 「なるべく誰もが生活圏の中で触れるものから発したいという思いはあります。今作でいえば登場人物のほとんどが教師と学生。未成年の学生ともなれば家、学校、塾くらいで社会人に比べて生活圏が狭い。不特定多数の人にとって当たり前にある日常から発し、その日常をどう細かいところから違和感を積んでいくのかを色々と考えます。コントや漫才など、笑いの世界が大好きなので、緊張と緩和といった部分に関してヒントを得ることも多いです」

 そしてまた、「呪怨」から20年以上が経過するなかで、ホラー映画との向き合い方に変化は生じてきているのか聞いてみると、興味深い考察に行き着いた。

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