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「ドビュッシーとはまったく違って禁欲的」作曲家モーリス・ラベルを演じた「ボレロ 永遠の旋律」主演ラファエル・ペルソナインタビュー

映画.com / 2024年8月11日 8時0分

 弾いているつもりでした……というのは、アンヌがピアニストのアレクサンドル・タローを紹介してくれたとき、ラベルを弾くということがどういうことなのかを目の当たりにしたのです。

 アレクサンドルは、私をフレデリック・ベイス=ニッターという先生の手に委ねてくれました。おかげで「亡き王女のためのパヴァーヌ」や他のいくつかの曲を弾けるようになりました。実はこの作品の8割は私の手で演奏したものです。この映画にとって、私が8割を演奏できたことは重要でした。アレクサンドルが残りの2割を引き受けました。彼のレベルに達するには少なくとも10年の練習が必要で、彼の天才的な演奏に到達するには、そこからさらに奇跡が必要なんだと思います。

――他に重要だった準備のステップは何ですか?

 最初に会ったときにアンヌが指摘していたように、彼の写真を見たときに感じたように、ラベルはとても痩せていてドライな雰囲気だったので、体重を落とすことは不可欠でした。私は10キロ減量しましたが、これが役に入り込む大きな手助けとなりました。アレクサンドルは、ラベルを演じたとき、彼の手の中に入るような感覚を覚えたと言っていました。私はそのイメージをとても気に入ったので、これを自分の体に適用してみたのです。ラベルは常に真っ直ぐ立っていました。

 彼についての23本の短いサイレントフィルムが残っていますが、ラベルは自分に注目が集まっていると感じたり、カメラを見つけたり、誰かが近づいてきたりすると、すぐに身体をこわばらせていました。ピアノに向かっている時でさえ、背筋をピンと伸ばしている。なぜずっとこのように生きることができたのか、本当に謎です。彼は自分の音楽を作曲しているときだけリラックスしていたのかもしれません。私はこのドライさと同時に、誰もがラベルに抱いていた優しさにも取り組みました。

――オーケストラの指揮の仕方も学んだそうですね。

 ラベルが「ラ・ヴァルス」や「ボレロ」を指揮するシーンで必要でした。あのレベルでは、振付はもはやダンサーの仕事でしたよ! 私を指導したジャン=ミシェル・フェランは、まず12区の音楽院(コンセルヴァトワール)の小さな部屋で私に練習をさせました。

 そしてついに、90人のベテラン楽器奏者の前に立つ時が来たのです。「君にも分かるだろう、オーケストラが自分の目の前で演奏する肉体的な感覚は、この上なく素晴らしいものだ」と彼は私に予告してくれたんですが、それは本当でした。最初のリハーサルで、私を素晴らしい指揮者であると温かく信じてくれた素晴らしい音楽家たちを指揮し終えた時、私の足は震えていました。あれほど強い衝撃を感じたことは今までありません。このシーンの撮影はとても大好きで、できることならずっと演じ続けていたかったです。

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