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山本耕史が26年ぶりのマーク役で、ブロードウェイスターたちと英語で演じきった「RENT」に感無量!!【若林ゆり 舞台.com】

映画.com / 2024年8月28日 13時0分

 その恋人・コリンズ役のアーロン・アーネル・ハリントンは声の深み、響きが素晴らしい。もうひとり、日本側からキャスティングされたクリスタル・ケイのモーリーンも、とびきりの好演。別れた後もマークを振り回し、女性弁護士の新恋人ジョアンをも翻弄するチャーミングなパフォーマー。「彼女にはかなわないなあ」と思わせるキャラクターづくりも、歌やダンスの表現も印象に深く残った。

 今回の演出は、ラーソンによるオリジナル演出に基づくもの。作品自体が「原点回帰」をしているようで、その本質がまっすぐに届くようなステージだったと思う。いまは亡きラーソンが作品を通して、語りかけてくるようにも感じる。「生きてきた人生の価値を何で数える?」と、全キャストが心を乗せた「Seasons of Love」。「いま生きているのは今日という日だけ」と繰り返し歌われる「No Day but Today」。

 もし英語の聞き取りに自信がないという人は、ミュージカルナンバーの歌詞和訳を一度読んでから観劇することを強くおすすめしたい。字幕を追っていたら、大切な瞬間を見逃してしまうかもしれないから。というより、パフォーマンスに夢中になっていたら字幕なんか追えないからだ。受け止められたはずの言葉を、受け止め損なったらもったいない! そうそう、この作品を観る度に思うのだが、ロジャーとミミのナンバーで歌われる「I Should Tell You(君に言わなくちゃ)」は、日本語の「愛してるよ」に聞こえるが、それはソラミミ。

 初日のカーテンコールでは、オリジナル版で演出を手がけたマイケル・グライフがサプライズで舞台に上がり、舞台上と客席が一体となって「Seasons of Love」を大合唱! ラーソンもこの日米合作版を天国から観て、きっと喜んでいるだろう。時代は変わったが、人生の、生きることの価値は変わっていないと思い知らされ、この瞬間を熱く生きる俳優たちに打ちのめされ、「ウォー!」と叫んで抱きしめたくなる。ラーソンからのメッセージを受け止めることができたなら、このミュージカルを観た「人生のなかの今日という1日」を、愛おしく思えること間違いなしだ。

 「RENT JAPAN TOUR 2024」は、9月8日まで東京・東急シアターオーブで上演中。大阪公演は9月11日~15日、SkyシアターMBSで行われる。詳しい情報は公式サイト(https://rent2024.jp)で確認できる。

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