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梶芽衣子、憧れの巨匠・増村保造監督との撮影の日々を振り返る

映画.com / 2024年9月15日 22時0分

 だが実際に「曽根崎心中」が完成し、試写を観た時に、撮影現場で増村監督が指摘していたことが次々と思い出されたという梶。自分に打ちひしがれ、席から立ち上がれなかったという。そこで梶は、増村監督に「これからのわたしはどうしたらいいんでしょうか?」と尋ねると、その答えは「歌舞伎だな」とひとこと。

 「でもどうして歌舞伎なんですか、なんて聞いたらぶっ飛ばされるから聞けない。だからそれからがむしゃらに歌舞伎を見続けましたよ。それでようやく分かったのが“芝居の間”でした。やはり間って真似もできないし、人に教えることもできない。これは自分の感性だから。わたしは感性を出し切っていなかった。そういう意味でも(『鬼平犯科帳』で共演した中村)吉右衛門さんというのはパーフェクトでしたね」。

 その後も増村監督ともう1本一緒にやろうと映画の企画を立てるも、それが実現できずに悔しい思いをしたこともあったようだ。そして次第に映画からテレビに軸足を移すようになった梶。そんなある日、増村監督から「一緒にご飯を食べないか」と誘われ、一緒にカラオケに行く機会があったと明かす。増村監督から「梶さん、歌ってください」と促され、リクエストされたのが内藤やす子の「弟よ」。「わたしもあの歌い方が大好きで。たまたま知っていたので歌ったんですよ。そうしたら増村さんから『あなた、歌う使命感を持ちなさい』と。そんなことを言うなら詞を書いてくださいよ」ということで、手紙と一緒に送られてきたのが「恋は刺青」と「真ッ紅な道」という歌詞。

 「気に入らないなら、ほかに3曲くらい書いてあるというんだけど、さすがにずうずうしいからそれもくれとは言えなかった」と笑う梶。その詞を形見のように思い、いつか曲にしたいと思い続けていたというが、「作詞:増村保造」という響きに、恐れをなす作曲家が続出。それから40年ほどの時を経て、いよいよ曲が完成。今年の3月にLPで発売された(配信は2月発売)梶のアルバムの「7(セッテ)」に収録されているそうで、「でもこれは本当に増村さんの形見というか、わたしの宝物です」としみじみと語った。

 「第46回ぴあフィルムフェスティバル2024」は、9月21日まで国立映画アーカイブで開催(月曜休館)。

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