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【「シサム」インタビュー】寛一郎×坂東龍汰、芝居という“共通言語”で深める仲 お互いの役者としての魅力は?

映画.com / 2024年9月19日 11時0分

坂東:そこからちゃんと自分の部屋にこもるようになりました。

――俳優としてはお互いにどんな印象を抱いていますか?

寛一郎:坂東君はふわふわっと見えて、すごく真面目なんです。感覚的なことも鋭いですし、論理的にもできる。一緒にやっていてすごく助かりましたし、バランス感覚が素晴らしいなと思っています。

坂東:(照れ笑いをしてから)僕も寛一郎はバランス感覚がすごいなと思っています。「シサム」でも、それ以外の出演作品を観ても、役に一貫性があってぶれない。今回、寛一郎は主役でしたが、長時間スクリーンに映っていて、ここまで飽きさせない魅力がある人はそんなに多くいないと思うんです。現場でも感じていましたが、映画館で「シサム」を観て、改めて寛一郎の役の組み立て方が勉強になりました。こういう主演が真ん中にいるから、周りの人が生き生き演技できるんだなと思います。

――坂東さんのセリフは全編アイヌ語でした。かなり練習されたと思いますが、覚えるまでの苦労や、発音の難しさはありましたか?

坂東:撮影の2週間前くらいからアイヌ語に取り組み始めました。最初は音源だけを聞いて覚えて、現場に行ってからはアイヌ語をずっと研究されている藤村(久和)さんという方に教えてもらえました。

アイヌ語は文法の情報が少なく、セリフを覚えるときには、日本語とアイヌ語を見比べていって、現代語として理解できるブロックと、音と響きでなんとなく意味を理解できるブロックに分けて、気持ちを込められるよう準備しました。それ以外は歌を歌っているような感覚に近かったかもしれないです。孝二郎とぶつかる役だったので、ちゃんと自分の気持ちをのせられないと困るなと思っていました。

――撮影は1カ月半ほど白糠町で行われたそうですね。

坂東:普通の撮影とは全く違うので、印象的なことだらけでした。アイヌの衣装も当時に近いものでしたし、近くで熊が出るかもしれないとも言われていました。

寛一郎:定期的に爆竹を鳴らしたり、撮影所にご飯は持っていかないよう対策をしたり。

坂東:虫もすごくて、いろんなものと戦っていました。でも、とにかく料理が美味しくて。

寛一郎:毎日みんなでご飯を食べて、地元の皆さんと交流していました。7月に撮影していたのですが、気候も素晴らしかったです。白糠の宿には冷房がないくらい涼しかったので、ロケがしやすい環境でした。

坂東:あとは、寛一郎が筋トレ器具をたくさん買って、部屋がジムみたいになっていました。

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