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「憐れみの3章」ヨルゴス・ランティモス監督インタビュー 奇想天外な物語が3部構成になった理由、撮影中エピソード語る

映画.com / 2024年9月26日 17時0分

――ジェシー・プレモンス、ホン・チャウら、今回は新しいメンバーが増えました。

 私はしばらくホンやジェシーを見ていまして、単純にタイミングだったかなと思います。そしてもう満杯のところにハンターも。誰もが彼女が大好きでした。彼女は私から、「あなたは素晴らしい、私の映画が好きだったら、この作品に遊びに来てよ」と誘った一人です。彼女は喜んで来てくれ、ニューオーリンズでの1日がありました。素晴らしかったです。

 私は大抵の場合、オープンであろうとしました。キャラクターの描写や台本でもなんでも。なぜなら私は好きな人たちと一緒に働きたいのです。私が尊敬する人やワクワクする人と一緒に仕事をするために、キャラクターについて持っていたアイディアを微調整する必要があるなら、俳優の役に具体的になりすぎるより、ただそうします。

 また、私はプロではない俳優もいつも起用しようとします。ちょっとした役はスタッフだったり、地元の方だったり、プロセスの一部として参加していただくことを楽しんでいます。俳優たちも、定式化していない仕事や演技とは何かという概念を持っていない方々と演じることで刺激を受け、違う道も開くことができることを喜んでいると思います。

――今回の作品は、前作「哀れなるものたち」の編集中に撮影したそうですね。「哀れなるものたち」や「女王陛下のお気に入り」のような、大規模なセットや建造物、多くの可動部を持つ映画に対する解毒剤のようなものだったのでしょうか?

 確かにそうですね。でも同時に、計画されたものでもなかったのです。行き当たりばったりで起こったものでした。ちょうど(「憐れみの3章」の)台本が完成した時に、「哀れなるものたち」のVFX編集を行っていて、それを待っている間に撮影に行ってしまおう、ということになったのです。

 この撮影はシンプルになるだろうと思ってのことでしたが、ご存じのように、映画製作においてシンプルなものは何もありません。「哀れなるものたち」のように巨大なセットと照明や物流管理はなかったので、シンプルに進むと感じていましたが、実際ロケに出ると何千もの問題が出てきて、交通渋滞や天気の問題、駐車禁止にしていた場所に停められた車が邪魔で通れないとかあれやこれやと、違うところで複雑な問題が勃発しました。が、結果的に、他の作品よりこちらのほうがシンプルに見えるでしょう(笑)。

――ハンター・シェイファーによると、本物の遺体安置所で撮影していた時に竜巻が襲ってきたそうですね。

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