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「シュルレアリスム100年映画祭」が開幕、巖谷國士氏が“シュルレアリスムと映画”を解説

映画.com / 2024年10月9日 10時0分

「シュルレアリスム100年映画祭」が開幕、巖谷國士氏が“シュルレアリスムと映画”を解説

「金で買える夢」場面写真

 渋谷・ユーロスペースで開催中の「シュルレアリスム100年映画祭」にて、シュルレアリスムに関する数多くの著書を発表している仏文学者で写真家、明治学院大学名誉教授でもある巖谷國士氏が登壇したトークイベントが10月5日に行われた。

 本映画祭は、20世紀最大の芸術運動、シュルレアリスム誕生から100年を記念し、シュルレアリスム映画の名作と主要人物にフォーカスしたドキュメンタリー作品を紹介する特集で、日本初公開作3本、日本劇場初公開作3本を含む全10作品7プログラムが上映される。

 上映時間前後の30分という限られた時間だったことから、巖谷氏は「ちょっと短すぎるので、かいつまんで即興で色々とお話します」と前置きし、「シュルレアリスム100年映画祭」と題されている本特集から、「よく“シュルレアリスム映画”と言われることがありますが、そういうジャンルはありません。むしろ“シュルレアリスムと映画”であって、この両者は非常に密接な関係があるのです」と説明した。

 「映画は1895年の終わりにリュミエール兄弟の作品がパリで上映されたのが最初で、それからすぐメリエスというもうひとりの巨人も現れます。シュルレアリスム運動を代表するアンドレ・ブルトン、ルイ・アラゴンら、その仲間たちは、ほとんどすべて1895年の前後、映画と同じ頃に生まれていて、物心ついたときから映画があった」と、シュルレアリストたちと映画は同世代だと強調し、その時代背景を語った。

 「それ以前の世代の作家たちにとっては、映画というのは新しく生まれた怪しいジャンルでよくわからないもので、映画はアートではなく記録のためのものという見方をしている人が多かった。でもアンドレ・ブルトンをはじめ、シュルレアリストたちの世代は初めから映画になじんでいただけでなく、彼らの作品には映画的な部分があったし、映画のほうにもシュルレアリスム的な部分がもともとあったので、第一次大戦後、映画を作るようになったのも当然のことです」

 そして、1920年代にシュルレアリスム的な発想から映画を作った代表的なアーティストとしてマン・レイとマルセル・デュシャン、さらにルイス・ブニュエルを紹介する。それ以後、詩人で「天井桟敷の人々」などのシナリオを書いたジャック・プレヴェール、同じくそのプレヴェールのシナリオで、高畑勲・宮崎駿らにも影響を与えたアニメーション作品「王と鳥」のポール・グリモーなども、シュルレアリスムにかかわった作家として挙げた。さらに、現在も活躍する映画監督として、チェコのヤン・シュバンクマイエル、それにチリのアレハンドロ・ホドロフスキーにも触れた。

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