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堂本剛と綾野剛が問いかける、「好き」ってどういうこと?【「まる」インタビュー】

映画.com / 2024年10月21日 19時0分

 堂本:世の中には自分を理解しているがあまり、自分を生きるがあまり隅に追いやられたり、孤独になる人もたくさんいると思います。沢田という存在が、そういう人たちを後押しし、勇気や力になるといい。そう思いながら演じていました。

――横山はいかがですか?

 綾野:今の剛さんの話に、食らっちゃいました。

 堂本:(笑)。横山には綾ちゃんと似ているところ、思いっきり反映されているなと思うところはあるの?

 綾野:好きなものに実直で、「沢田さんが好き」だけでやっているところです。そして荻上監督が「30代で映画監督デビューしたけれど、なかなかうまくいかなかった」とおっしゃっていましたが、僕にとっては、とても魅力的で作家性豊かな方だと確信しておりましたので、監督自身を投影されたという横山を通じて、僕が感じてきた荻上さん像を、ラブレターのような形でお返しできればいいと思っていました。当時の荻上さんは、きっと横山以上にピュアだったと思いましたので。

 荻上さんを形容する言葉は、ピュアとか、魅力的とか、天才とか、奇天烈とか、いろいろあると思います。なかでも僕はピュアなところが好きで、そこは剛さんに対しても同じです。好きという感情は、きっとこの複雑な世の中を、シンプルに突き詰めた先にあるものだから。一方で横山はたくさんの言葉を吐きます。それはたった1つの言葉を探し当てるためで、何百、何千、何万個とある感情を吐き出さないと、奥底に隠れたその1つに辿りつけない。

 横山は文字通り壁を蹴破って、隣にいる沢田さんをその目で見るんです。そのときの感情は、簡単に言えば「俺、この人好きだわ。だからあなたも俺のこと好きっしょ」という謎の人間力。それはピュアだからなのか、初めて見たものを親だと思い込むヒナみたいなものなのかは分かりません。

 27年といってもその時間、1秒1秒みんなそれぞれ違う。だから剛さんとこうやって出会え、共演させていただき、今日一緒にインタビューできていることこそが奇跡なんです。この時間が、僕の希望になっていく。好きってそういうことなのかなと思います。

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